「世界を変えた書物」展

グランフロント大阪のナレッジキャピタルで開かれている「世界を変えた書物」展に行ってきました。金沢工業大学が所蔵する稀覯本の展示企画なのですが、これが想像を超えた本ばかりで、見た瞬間にびくんびくんとしてしまいました。

集められた本たちは本当に、主に科学の分野で文字通り世界を変えたといえる知の集大成で、学生や地域社会に対して、こういう知の啓蒙もあるのか!と感心しました。収集をしている金沢工業大学は本当に尊敬に値します。過去の偉人の足跡に触れるというのは、頭で理解するというよりも、感覚にダイレクトに訴えかけてくるものがあります。

日本のこういう展示では非常に珍しく、フラッシュなしなら写真撮影OKというのも、良かったです。展示方法やレイアウトも洗練されていました(金沢工業大学建築学科の学生さん達がやったそう)。

順不同に何点かご紹介します。

レントゲン「新種の輻射線について」(1895-1896年、初版)

 

コペルニクス「天球の回転について」(1543年、初版)

 

ニュートン「自然哲学の数学的原理」(1687年、初版)

 

アインシュタイン一般相対性理論の基礎」(1916年、初版) 

 

個人的にもっとも衝撃だったのはこの本。
合衆国戦略爆撃調査団「広島、長崎に対する原子爆弾の効果」(1946年、初版)

広島の原爆の爆撃判定調査の図が展示されていました。マンハッタン計画を推進した人たちにとっても未知の兵器であった原子爆弾。その「効果」を正確に知ろうとしたのですね。この本の著者達がどう感じて作成したかわかりません。でも、現代を生きる我々、科学を信じ、科学を推し進める人間が背負わないといけない業ですね。本当に世界が変わったと一番実感できる書物かもしれない。

この他にもデカルトの「方法序説」初版、ダーウィンの「種の起源」初版などもあり、とても全部は紹介しきれません。

あ、個人的には番外なのですが、「DNAの発見者」とされているワトソンとクリックの例の2ページの論文もありました。すでに科学史上あきらかになっていることですが、ワトソンとクリックは、先行する女性科学者(夭折。名前忘れた)の成果を横取りしたことが知られています(それでノーベル賞取ったのですから、かなりひどい)。ちょっと前までは羨望の眼差しで見られた論文も、現代的には科学者のモラルを問う資料になっているというのが皮肉。

23日まで入場無料ですので、お近くの方は是非。見逃してはいけない!!