よどこんの歌ったもの

今回、合唱コンクール全国大会(長崎)で、妻の所属する淀川混声合唱団(よどこん)は、自由曲でDe profundisという曲を歌いました。この曲を客席で聞いているときに、思ったのですが、この曲をこの長崎で、このホールの場所で歌ったことにはとても有意義な意味があったのではないかと思うのです。

帰宅するときに妻と話したら、妻も同じことを思っていたらしく、ひとりよがりな考えではなかったので嬉しかったのですが、よどこんの前の団体の北海道支部代表のBaumが自由曲で"Anima christi"を歌っていたのですね。すごい偶然だと思いました。聖化されて、キリストとともに天国へ昇る魂の歌だと思うのですが、終始、おだやかであたたかみのある光が差しつづけるそんな曲のつぎに、よどこんが歌ったのが"De profundis"、深く暗き淵の底から救済を求める(そして、叶わず再び沈む)魂の歌ですね。そんな魂の対比がまったく意図せずに、並んで演奏された。神秘主義ではないけれど、なんだか不思議な気持ちになったのでした。

会場となった長崎ブリックホールが建つのは、爆心地にほど近い浦上です。あの爆発で吹き飛んでしまった浦上天主堂のすぐ近く。そんな場所で、こういう符合があったことも、そんな気持ちに拍車をかけました。

よどこんのコンクールとしての結果は、いろいろな要因もあったでしょうが銀賞でした。ただ、今日こういうtwitterを見かけました。

何か、何かが聞いてくれた人に伝わったんですよね。少なくとも、この方には。コンクールをコンクールの枠組みだけでとらえるというのも一つの考えだけれど、わたしはコンクールであっても何かを感じたい。音楽を通じて感情をあらわにしたいと思っています(それを審査することはできないし、してはいけないのだけれど)。なので、同じように思っているひとがいるというのを知ると、とても嬉しくなりますね。自分だけだと、やっぱり身びいきがすぎるから。

 有意義な時間をすごせました。よどこんのみんな、長崎県合唱連盟の関係者のかたがた、ありがとう。