古代ギリシャ展(神戸)へ

神戸市立博物館で開催されている古代ギリシャ展へ行ってきました。昨年東京で開催されていたときに大の古代ギリシャ好きである妻はすでに行っているのですが、そのときの図録を見せてもらっているうちにこれはけっこういいなと思い始めて、わたしも行くことにしました(妻ももう一度見たいらしいので一緒に)。ちょうど、その前くらいに遅ればせながら「ヒストリエ」を読み始め、またこれも妻が大ファンである藤村シシンさんの「古代ギリシャのリアル」という書籍を読んでいて、知らず知らずに古代ギリシャ熱が高まっていたのでした。

古代ギリシャのリアル

古代ギリシャのリアル

 

結果として、この「予習」が今回の展覧を見るうえでとてもよかったといえます。古代ギリシャで欠かせないのがオリンポス十二神という神々。これを知らずして古代ギリシャの生活はありえなかったことが先の書籍でよくわかっていたので、そのうえで今回の展示物に登場する神々の像や意匠を見ると、なるほどと得心の行くことも多かったです。

展示は6-7つの時代構成ごとに分かれており、過去の時代の文化の継承や移り変わりがよくわかるようになっていました。古代ギリシャには国家というものはなく、都市国家群であったので主役となる地域がたくさんあるのが特徴的です。展示物が古代ギリシャにフォーカスしていたので近隣諸国との関係性も含めて考えるともっと楽しめただろうなとは思います(エジプト、ペルシャアフガニスタン等の遺跡との関連)。

中は撮影不可なので、図録の写真で印象に残った展示を紹介します。

上が線文字A、下が線文字Bと呼ばれる古代ギリシャの文字。ギリシャ文字より前の時代のものですね。線文字Bはすでに解明されているので、妻が「読める読めるぞ。。」とムスカごっこをやっていました。実際、いくつかの文字を知っているようで、あれが雄ヤギで、これが雌ヤギでその横の線は頭数を表しているなど。粘土板に刻まれた古代の文字を目にすることができたのはとても貴重な体験でした。

エーゲ海文明(クレタ文明)の壺。タコの絵が良かったですねー。他にもタコを意匠化した金のボタンや、イヤリングなどもあり、クレタ人のタコ好きがうかがえます。

鉄製の棒ですが、これは串型オボロス貨という立派な貨幣。さしわたし1mくらいあります。妻によるとスパルタあたりの貨幣で、アテネでは同時期にはすでに打製金属による硬貨があったとか。こんな持ち運びに不便な通貨を使っていたとは。。

あと写真がないですが、世界史で必ず習う「陶片追放」のまさに追放したい人の名前を書いた陶片も展示されていて、これには胸が熱くなりました。

余談ですが、展示のある神戸市立博物館って、建物の構造が少し特殊(大きな吹き抜けがある)ですよね。展示室をいくつも渡り歩かないといけなかったり、入口のロッカーやチケット販売も特別展ごとの仮設なので、もともと博物館用途じゃなかったのかなぁといつも思います。

さて、余談の余談ですが展覧会を見たあとは中華街でお茶(台湾茶)を飲みました。日本にこういう茶芸館があるとは知りませんでした。よく見る工夫茶ではなく、今回は蓋椀茶を頼みました。喫茶店でコーヒーや紅茶を飲むのとは違うリラックスができるのが台湾茶の不思議です。

仙草のゼリーと白玉、タピオカのデザートもいただきました。タピオカのもちもちさ加減はもち好きにはたまりません。

そうそう展覧会は4月2日までなので興味のある方はお急ぎください。