淡路島旅行(2)大塚国際美術館へ<その2>

前回は大塚国際美術館の空間展示を紹介しました。今回は同じB3フロアの紹介と、レストラン他のお話です。

www.dempa-anshitsu.org

B3の一角に円形のギャラリーAというコーナーがあります。そこは古代ローマ遺跡や、中世のモザイク画を展示するコーナーになっていて、ここも好きな人にはおすすめです。

ローマ皇帝と随臣たち。妻が「萩尾望都っぽい。。」と言ってました。

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もともとモザイク画自体がタイルを貼り組み合わせたものなんですから、陶板複製の一番適したジャンルの絵ではないでしょうか。

古代展示では遺跡で発掘された皿を再現したものや、壺の一部を拡大したものなどがありました。 

この絵は有名ですね、ポンペイ遺跡から発掘された「パン屋の夫婦」。解説を読むと実際にはパン屋ではなく、行政官的な公職についている夫とペンを持つ(つまりインテリ)の妻だそう。パン屋はこの夫婦の隣の家だとか。

時代は忘れましたが棺の内部の再現したもの。

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ギャラリーBのコーナーは中世のキリスト教絵画がメインなのですが、ルネサンス以前のものはイラスト的なものが多くて、面白いです。いわゆる宗教画と聞いて想像するものとはかなり感じが異なるので、現代のグラフィックデザインといってもわからないかも。日本の展覧会にはまずこないような絵画の陶板が多いのも、この美術館の特長だと思います(メジャーな絵画はもちろんあるのですけど)。

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この絵画、貴婦人と一角獣が描かれたものとして有名ですね。もとはタペストリーで「わたしのたったひとつののぞみ」と記されています。この言葉自体は人間の「自由意志」を表す哲学的な意味合いがあるようで、額面通りの言葉ではないらしいです。アニメ「ガンダムUCユニコーン)」の第1話にとても印象的に登場するので、アニメを見たものとしてはこの絵の前に立つのはなんだか感慨深いものがありました(3mくらいの高さがあるので劇中とほぼ同じ感じ)。

 ここまででだいたい1時間くらいかかってます。団体さんも増えて来たので、12時前にレストランへ。途中、1Fにも軽食が取れるカフェテリアがあり、食事に困ることが多い地方の一般的な美術館に比べるととても助かります(直島の地中美術館とか。。)

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カフェテリアからは水光庭園が見えて、中心にはオランジュリー美術館所蔵のモネの大睡蓮の複製があります(オリジナル同様270度くらいの円形展示) 。日光の中だとやや見にくいのでライトアップされる夜間の方が美しいかもしれません。

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庭園のすぐそばを大鳴門橋へ続く高速道路が走っています。土木好きにもオススメのスポット。

2Fのレストランでは地元食材(徳島)を使った和食洋食が1000円前後で提供されています。われわれは奮発して1800円の「最後の晩餐」を。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を元にしたオリジナルメニューで牛肉、白身魚、金時芋、わかめのスムージーのほか、もちろん「ワインとパン」もつきます(ワインが飲めない人には葡萄ジュースを選択可)。

このパンがまた素朴な感じで、絵画のなかに登場する当時のパンっぽい感じ。もちろん、お肉も魚もすごく美味しいものでした。あ、そういえば「最後の晩餐」は食べたのに絵の方は見に行ってなかったなー(B2フロアに展示)。

食事の後は19世紀絵画を少しスキップして見て回りました。よく目にする有名絵画はさすがに圧巻ですが、まったく日本では無名?の作品では下記の2点がお気に入り。

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トーロップ・ヤンの「三人の花嫁」。独特の線画が魅力的ですがもとは印象派的な絵も描いていた人のようです。

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モッサ、ギュスターヴ・アドロフ「彼女」。題名は彼女ですが、ファムファタル的な意味合いらしいです。絵もまさにそんな感じですよね。

 

最後に「ゴヤの家」展示室を見て、われわれはフィニッシュしました。B2はほぼ飛ばしましたし、現代美術も時間がなくてやむなく見ず。

帰る前にお楽しみのミュージアムショップへ行ったのですが、とにかくメジャーな絵画(ルネサンス、印象的派、ムンクなど)の関連グッズしかなくて、ちょっと残念でした。ミニ複製陶坂とかは本当にこの美術館でしか手に入らないものなので、古代や中世絵画・壁画、モザイク画の物が欲しかったのですけど。。主な来客、購買層(60以上から団塊世代)に的を絞っているんでしょうね。われわれのような美術館によく行く層はここではマイナーなのかも。

 

さて、ミュージアムグッズは残念でしたけど、その1で書いたように「空間展示」では稀有で素晴らしい美術館で、食事も含めて大満足でした。3240円の価値は十二分にありますよ。

 

うずしお編に続く