BCLラジオ、TECSUN PL-380

SONYのウェブをぶらぶら見ていたときに、急にラジオが欲しいなーと思いました。最近、電子ガジェットを買っていなかったので、何かそういう欲が頭をもたげてきたのだと思います。ちょうど卓上用のラジオをSONYが発売したというのを見たからかもしれません(SONYは未だにラジオも頑張っているメーカー!)。

もともと、高校生のときにSONYICF-SW700というBCLラジオを買って、毎晩深夜放送を聞いていたのですが、かれこれ20年は前のこと。今なら当時よりも性能があがったものが安価で買えるはずと検索をしはじめました。BCLラジオというのは高性能受信機のことで、いわゆるAM、FMだけでなく、SWという海外短波放送も聞けるラジオです。ICF-SW700はBCLラジオの入門機で価格は1万円ちょっとでしたが、当時SONYの最高機種は6万円以上したと思います。

調べてみると、この分野では中国メーカーの製品の勢いが強いことがわかりました(日本の電機メーカーはもう枯れた製品であるラジオに開発費をかけたりできないという事情もあり)。中でも今回買ったTECSUNは完成度が高い製品で、Amazonレビューや個人のブログ、ラジオライフなどの専門雑誌でもよく取り上げられています。そういえば、わたしはヘッドホン・イヤホンも好きなのですが、そのジャンルでも中国・韓国・台湾などの国はとても良い製品を安価で(しかも日本をターゲットにして)出してきているので、これはラジオでもその性能は信用できそうだと思ったのです。

前置きが長くなりました。選んだのはTECSUNのPL-380という機種。Amazonでだいたい5400円前後という価格。日本製のAM/FMポケットラジオの半額くらいの価格ですが、機能的にはかつての高級機なみの性能が詰め込まれています。

しっかりしたパッケージに機能説明がぎっしり。

重さは電池抜きで約200gと軽量。単3電池3本使用で、電池込みでも270gくらい。手のひらサイズなので持ち運びに便利(キャリングケースも付いてます)。特筆すべきは、リチウムイオン電池を入れてUSBで本体充電できるということ(要設定)。こういう機能は日本のメーカーは絶対やらないところですが、ユーザーには地味にありがたい機能と思います。もちろん通常のアルカリ電池も使えます。

さて、その性能ですが、AM,FM,SWとてもクリアに聞こえます。DSPを使ってデジタル信号処理しているおかげでしょうね。付属のスピーカーの音がよくないとレビューに書かれていたりしますが、全然問題ないです。とても聞きやすい。イヤホン端子もちゃんとあり。信号強度とS/N比がデジタル表示できるのがなにげに良いです。AMラジオの受信感度調整にもってこい。ディスプレイライトもついていて、オレンジ色に光るところなんかよくわかっていらっしゃる。受信機!って感じがするよね。

これから買うという人のために、ちょっと覚え書きを書いておきます。

【選局】
・ダイヤルを回して周波数を1kHzずつ上げ下げする方法と、テンキーで周波数を直接入力する方法、そして自動選局があります。自動選局はATSとETMの二種類があると説明書に書かれています(TECSUN公式と思われる日本語のものが封入されていた。わたしが買った業者のみか不明)。ATSの方はスキャンして受信できた局をメモリに自動登録してくれます。ETMは簡単選局機能というもので、似たような機能なのですがちょっと使い分けの方法がまだわかっていません。メモリも別々に持っているみたいです。ATSで一度、メモリに自動登録されたら選局ダイヤルでどんどんメモリを切り替えて聞くことができます。
【ATSのやり方】
1、電源を入れる
2、聞きたいバンドのボタン(FM、MW/LW、SW-A、SW-B)を押す
3、そのボタンを長押しする
4、周波数を順送りで受信できた局がメモリに自動登録される
【選局の仕方】
VMボタンを押すとメモリ選択
  選局ダイヤルを回すとメモリした局を切り替えられる
  テンキーを押すとその番号のメモリが選択される(数字三桁)
・VFボタンを押すと周波数選択
  選局ダイヤルを回すと周波数を上下できる
  テンキーを押すとその周波数を直接指定できる(FMの"."は不要)
【FMのバンド切り替え】
・FMは87.5MHz-108MHz、64-108MHz、76-108MHzの受信帯を選択するようになっています。国によっては使っていない周波数があるためです。デフォルトで87.5MHz-108MHzになっているので、FM802が聞けません。電源OFF状態でFM SETボタンを長押しして、周波数帯を選びましょう。FM ST.というボタンと間違えやすいので、注意(全然切り替わらないので焦った...)。
【動作音】
・電源OFF状態でテンキーの0(下にベルのマークにxが書かれている)を押すと、ON/OFFを切り替えられる。わりと動作音が大きいので気になる人はOFF。

すぐに必要になるのはだいたいこれくらいかな。

海外短波放送はロッドアンテナだけでは感度が足りない場合があるので、付属のクリップアンテナをつけて、ベランダに垂らします。写真は台湾国際放送を聞いているところ。ICF-SW700の頃も同じようなクリップアンテナ使ってました。

地味だけどよくできてるなーと思うのは、チルトできるようになっているところ。残念ながらゴム足は付いていないのでちょっと滑りやすい。自分でつけることにします。

届いてからまだ2日ですが、夜間にAMラジオを聞くという習慣を取り戻しつつあります。休日の昼間にやっているFM番組を発掘するのも楽しい。さすがに深夜帯は無理だけど、かつてのように聞こえる電波を探して「放浪」しています。今ならiPhoneなどでradikoらじる★らじるなどのアプリを使ってインターネットサイマル放送をクリアな音声で聞けるのを、わざわざ専用受信機で遠くの放送局の電波をキャッチするというところが、マニア心をくすぐるのですよね〜。

ラジオを持っていない人がちょっと防災用とかに買ってみよう、休日の午後リビングで聞いてみようというには、敷居が多少高いように思われる(ボタンが多いだけで基本は簡単なんですが)のですけど、ガジェットが好きな人にはぜひ普通のラジオよりもこっちをおすすめします。性能はピカイチなので案外ラジオ受信そのもの(別の地域の放送を聞きたい!とか)にはまるかもしれません。沼ってやつですね。

今、このブログを書きながらNHK FMをかけたら、若山弦蔵がパーソナリティの音楽番組をやっていて、聞き惚れていました。