スペイン旅行記(10)いよいよ本丸へ<サグラダファミリア>

 前回は、バルセロナ初日の夜まででした。

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翌朝、いよいよメインイベント(と、この時までは思っていた。この日以降もすごかった!)のサグラダファミリアへ向かいました。ホテル近くからカタルーニャ鉄道に乗り、カタルーニャ広場駅からメトロに乗り換えて2−3駅。かなりスムーズに移動できます。

サグラダファミリアも、他の施設と同様にウェブでの事前予約ができました。できるというか、ほとんど必須ですね。入場の時間を30分単位で指定します。また、2つの尖塔である<生誕の塔>と<受難の塔>にはエレベーターで上れるのですが、これは別料金で、それも時間指定になっています。退場までの時間は特に決まっていないので、入ってしまえばいつ出てもいいみたいです。クレジットカードで決済して、PDFでチケットをダウンロードし、予め印刷しておきます。たぶん、携帯端末でもOK。チケットにはバーコードがついているので、それを入り口で係員の端末にかざすという方式です。

チケットを買う行列に並ばなくていいのは合理的ですが、事前に予定をしっかり立てておかないでふらっと入るということができないので、散策メインの日とわけた方がいいかも。

この日(12/30)も年末だというのに観光客は朝10:00からわんさかわんさか。で、入り口に向かってみると、「今日の分のチケットは全部売り切れ!明日の昼以降の分はまだあるから!」と係員がチラシ(ウェブのアドレスが載っている)を配っていました。現地についてからは、まずは周囲を一周してみました。現在できている尖塔の高さは60mくらいなので、高層ビルを見慣れていると「あれ、あんまり高くない」みたいな印象を受けました。

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こちらは受難の門側ですが、どちらかというと直線の多い、前衛的な彫刻が多いため印象は地味です。このイメージのまま生誕の門側に回るとびっくりします。意図的に彫刻の種類が変えてあるのです(これは知りませんでした)。先に生誕の門から見て、受難の門を見る方がその違いが印象づけられると思います(入り口は生誕の門側にある)。われわれが地下鉄の駅から出て目にしたのがこちらが先でした。受難の側は聖書の物語を知っていないと共感しにくいでしょうね。キリスト生誕の物語はほとんどの人が信仰に関係なく知っていますが。。

 

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こちらが入り口(教会として完成した時はどちらが入り口というわけではなくなるのでしょうが、観光用としての入り口)側である、生誕の門。ど派手です。細かいです。その緻密さにびっくりします。

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入場して、まだ門しか見ていないのにもうおなかいっぱいです。ちなみに、入り口の二本の柱の土台に亀の彫刻があるのですが、片方はリクガメ、片方はウミガメという凝りよう(これは妻が気づきました)。

では、いよいよ写真でも見たことがない中へ入っていきます。





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一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなりました。まるで、昆虫の巣の中に迷い込んだかのような有機的な形の柱に驚かされます。これは樹木をイメージしているだけでなく、構造力学的にもきちんと意味のある形なのだそうです(現地で売っている公式ガイドブック日本語版より)。

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これは祭壇ですね。まだ礼拝では使用されていない?かもしれません。

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側面のテラス。

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全体的に植物をモチーフにしたものが多いですね。外のキリスト教彫刻とはまた違った世界が広がります。

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何度見ても、この天井構造に目を奪われます。

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中をぐるっと一周している途中で、地下へ下りる階段があるのに気づきました。係員が立っており、どうも「カトリック(のクリスチャン)でない人はNG」的なことを言っています。すき間から地下をのぞくと、そこには礼拝堂が広がっておりミサが行われているようでした。そう、ここは紛れもなく聖家族教会という礼拝の場でした。上層の建築が続く間はこの地下礼拝堂(ガウディが建設に関わる前、前任者の設計ですでに建築が進められていたため、ガウディ色はほとんどない)で行われているようです。

この後、エレベーターで塔に上る前に受難の門の方へ出てみました。冒頭で地味と書きましたが、キリストの受難物語の方が生誕よりも劇的ですし、物語を知っていればいるほど味わいとしてはこちらの側の方が深いものがあるように思いました。

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むち打ちされるイエスの像。

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マタイによる福音書26章39節。

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受難の門を出て、いったんトイレ休憩。地下部分にトイレと、資料館があります。

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資料館では、サグラダファミリア建築に関する歴史や資料の展示があり、見応え抜群です。中でも、ガウディが設計時に使ったフニクラ模型(ひもを2点で止めて、途中に重りを吊した時にできるフニクラ曲線を組み合わせたもの)の実物を見れたのはちょっとした感動でした。この模型を写真に撮り、逆さにしたものがあの独特な外観の原型となったのです。

 

外には3Dプリンターで作成されたとおぼしき模型がありました。茶色の部分がすでに完成しているところ、クリーム色の部分が未完成の部分です。こうしてみると、未完成の部分がまだまだありますね。そして、主塔を含めた大部分の塔は、現在より更に高いものになるのだとわかります。

さて、時間になったので受難の門側のエレベーターへ。一度に乗れる人数が決まっているため、カウントされます。塔の上部は狭いのと強風のため、ベビーカーはNGのようです。また、服装や荷物も大きめのものはロッカーへしまうように言われます。

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バルセロナ市街が一望できますが、写真を撮るのはちょっと大変。手すりとかはないので、カメラを落とさないように注意がいります。あと、狭いです。でも、この塔へ上がる真価はこのあとにあります。降りるときです。エレベーターで再び降りることもできますが、階段を使って降りることもできます。ここは是非、階段です!

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螺旋階段を降りながら、外壁の彫刻や建築中の現場を眺められるのです。

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受難の門にそびえるキリスト像を間近に!生誕と受難ではやはり生誕側の方のエレベータが人気があるそうです。外壁が派手なので、見ていて面白いのだと思います。われわれは混むのが嫌だったので、受難側にしました。

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この螺旋はオウム貝をモチーフにしていますね。しかし、この手すりの怖さったらなかったです。真ん中の穴に向かって吸い込まれそうなんですって。ずっと左側の外周の金属の手すりを持ちながら、降りました。

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階段出口はこんな風になっていて、逆方向(のぼっていく)には進めないようになっています。60mを下ってくるので、膝がけっこうがくがくになりますが、可能であれば階段で降りるのをお薦めします。途中、スペイン以外の外国からの観光客親子がハイになって、皆で歌いながらわれわれの後から降りてきたのですが、そうなる気持ちはわかります。

こうして、2時間あまりかけて、その建築のすごさを堪能することができました。2016年になってから入場料金の値上げがあったらしいのですが、まぁこれは経験しないのはもったいないです。なんとしても行くのがいいと思います。

なお、出口の手前には結構大きなミュージアムショップがあり、お土産には事欠きません。親兄弟へのお土産品はここでそろえました。

さて、つぎは隠れ目標として設定していた「FCバルセロナ」の公式ショップと、あまり下調べをしていなかった「サン・パウ病院」へ向かいました。そこは、あまりにも先進的で深い思想のある場所だったのです。