ハクキンカイロの出番だ

4、5年くらい前だったかにはじめてハクキンカイロ(ミニ)を使い始めました(その時もブログに書いたと思うのですが、消失)。ハクキンカイロは、燃料としてベンジンを用いて、気化したベンジンをプラチナ(白金)の触媒作用で「二酸化炭素と水へ酸化分解させ、その過程で反応熱を取り出す」(wikipedeia「懐炉」より)のだそうです。化学反応には詳しくないのですが、燃焼させているわけではなくて、生成物も無害なものであることから安全なカイロとして長年使われているものです。鉄粉を使った使い捨てカイロより温かいと知り、確か冬コミに持っていく用途のつもりだったかと。

このところの朝晩の冷え込みのせいか腰を痛めてしまっていて、金曜日は歩くのもままならない状態でした(そろーりと出勤)。休日は寝てすごすのかーと思っていたのですがハクキンカイロのことを思い出して取り出してきました。腰痛初期は湿布で冷やして痛みを取り、その後は温めるのがいいのですが、ちょっと長引きつつあったので温熱療法でいこうと。

幸い燃料のベンジンも残っていたので早速使用。ベンジンをカイロの中綿に規定量染みこませて、ハクキンの部分をライターで「点火」します。さっき燃焼させているわけではないと書きましたが、ハクキンの触媒作用を起こすために高温にする必要があるためで、繰り返しになりますがベンジンを燃やしているわけではないです。この作業を使用開始時に行うのがすこし面倒です。

 

真鍮製の本体は温度がすぐあがるので手では持てなくなります。専用のカバーにいれたあと、さらにこの腰ベルト(オプション品)に入れて、洋服の上から腰にあたるようにします(普通のカイロでもそうですが、皮膚に直接あててはダメです。低温火傷をおこします)。

じわじわと腰に熱が伝わり、カバーを通しても熱いくらいになってきます。この熱量もすごいのですが、これがハクキンカイロミニの容量だと18時間持続します。だんだん温度が下がっていくわけではなくベンジンが切れるまでずっと温かいままです。この点がすごくありがたい。

しばらく温めるとすごく楽になってきたので、そのまま散歩にでかけました。2kmくらい歩きましたが、普通に歩けてびっくりです。

わたしは腰を痛めてないときは、ズボンの前ポケットに入れることが多いです。足のつけ根があたためられるので足の血行がよくなって足先が冷えるのを防げます。あと、1月2月の一番寒い時期は腰ベルトでおへその下にカイロを持ってきます。ここを温めると全身があたたまるので。よくいう「丹田」という場所です。

便利で有能なハクキンカイロですが、燃料のベンジンが危険物なので飛行機の機内にも預け荷物としても持ち込むことができません。ハクキンカイロ自体がです。あと、新幹線については以前は可能だったのがちょっとグレーになっています。2015年に起きた車内放火事件のため、鉄道各社が規定を改正し危険物(発火する可能性のある燃料など)の持ち込み規定を改正したのです。以前は少量ならOKだったのが全面禁止になっており、ベンジン自体の持ち込みはNGになっています。つまり、旅先で18時間経ってからもう一度使おうと思っても燃料を補給できない!

さらに問題があってカイロ本体がNGなのかOKなのかわからないところ。飛行機は明確に燃料式カイロの持ち込みを禁じていますが、ニュースで読んだ記事からは本体がNGかどうか判断できない内容でした。この規定を全面的に適用するならば、ガス式のライターはNGになりますし、燃料式カイロと同じ燃料だけど直接燃焼させるZIPPOライターもNGになります。喫煙者の人は困るでしょう。あと登山者が使うガスボンベも規制されます(これは持ちこみの量だけ?)。

飛行機と違って新幹線は手荷物検査がありません。なので持ち込んでいても知るすべはなく、旅客の良心次第。それならば、燃料としてのベンジンの持ち込みはしないまでも、日帰り旅行で使うためのハクキンカイロ本体を身につけての乗車はなんとか許してほしいものだなーと愛用者としては思う次第です。