明日のアー/猫の未来予想図II、京都公演

DPZライター、動画制作の大北さんのコントユニット、明日のアーの京都公演を観に行ってきました。第一回公演が昨年あったのですが、チケットは取っていたのに体調不良で観に行けなかったので、ものすごく楽しみにしていました。とはいっても、いくつかコントを上演するということしか知らなくて、大北さんの動画によく登場するDPZの住さん、藤原さん以外の役者さんのことはまったく知らないまま。結果、ものすごく楽しんで、大笑いして、暑くなって汗をかいて、酸欠気味になりました。メガネも曇る。ひとことで言うと面白い。もうひとこと言うと傑作。

どのコントもものすごく作り込まれたもので、ラーメンズのコントが好きな人にはよくあうと思います。日常の身の回りにあふれる知的なバカさ・面白みのようなものを丹念に拾っていく感じ。8つのコントのうち、「世界から猫が消えたなら」「ありふれたアンドロイド」は手に汗にぎる映画のよう。でも、コントなんですよ。笑って笑って仕方がない。政治だとか世相とかをがんがんぶち込んでくるのも小気味良い。

役者さんの話をすると、俳優の宮部純子さん(五反田団)の表情(声・顔・身体であらわされるすべて)の豊かさにやられました。演劇だから見られる面白みが全身にあふれていて。あとはスミマサノリことDPZライターの住さんのかっこよさ。自信にあふれた表情といい声なのに、どこかおかしみが出るところがいい。この二人が主演女優賞と主演男優賞と思います。

ほかの役者さんも当然面白い。トアチアキタイヨウさんの哲人ぽい語りとさすがダンサーという動き(「ネットワークビジネスの上の方」の振り付け)がいい、藤原さんの理屈っぽい台詞回しがいい、土屋さんの大物っぽいところがいい、稲川さんのくりくりの目と唇の動きがいい、7Aさんのどこか定まらないふらふらっぽさがいい、大北さんのまじめな熱量がいい。

終演後に社会学者の岸政彦先生(「断片的なものの社会学」)と大北さん・住さんとのトークがあったのですが、時間があまりなかったのか少し短くて、もう少し掘り下げた話が聞きたかったなぁ。大北さんアドリブ苦手とのことでしたが。

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今回の会場の元・立誠小学校。京都の飲み屋街・木屋町のど真ん中にあった小学校の跡地です。今や演劇・映画・イベントの中心地。DPZのイベントも何回か開かれていますね。歩くとぎしぎしなる木の廊下。

次の本公演は東京で10月にあるそうですが、関西には同じ頃かまた2月に来るとのこと。今から楽しみ。