チェアリング in 浜寺公園

チェアリング満喫中

つい最近、おもしろ読み物サイトのデイリーポータルZの記事で、チェアリングという行為を知りました。野外の好きな場所に折りたたみ椅子を置いて、そこで飲む(飲まなくてもいい)というもの。2018年の冬アニメ(2018年1〜3月)に「ゆるキャン△」というアウトドアをテーマにした作品があって、ちょうど椅子やテントなどのキャンプ用品に興味をもっていたところ(影響を受けやすい...)だったので、さっそく折りたたみチェアを購入して記事の真似をしてみることにしました。

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チェアリングのやり方とかは上記のパリッコさんとススズキナオさんの記事をぜひ読んでみてください。 

向かった場所は近所ではなく、連休なので少し遠出もしたいなーと思い、大阪の南にある浜寺公園にしました。阪堺電鉄で恵美須町or天王寺から約1時間ほどにある海辺の公園です。南海電車でもいけますが、阪堺電鉄に乗ったことがなかったのでそちらのルートで。

通天閣のすぐ近くの恵美須町と、あべのハルカスのすぐ近くの天王寺の2箇所がターミナルになっていて、途中で合流して終点の浜寺公園に向かう路面電車です。途中専用線と路面と何度か入れ替えて走ります。どこからどこまで乗っても210円とリーズナブル。途中、有名な住吉大社があります。

最新のトラム型の車両からとてもレトロな車両までありますが、どれもICカードで乗車できるので利便性は良かったです。駅数が多いので、疲れている帰りは南海電車に乗りました。

浜寺公園というと、建築好きの人には南海電車浜寺公園駅がおなじみです。この近代建築の駅舎は東京駅の設計で有名な日本の近代建築の草分け辰野金吾の手になるものです。以前から老朽化が激しく、行く末が気になっていたのですが、南海本線の高架工事に合わせて数100m横に移されて保存されることになりました。ジャッキアップして曳き家する方式で今の位置に移動されています。すぐ横に仮設の乗り場があります。現在はカフェやギャラリーとして利用されています。残念だけれど印象的な手動改札はなくなってしまいました。

さて浜寺公園駅は行ったことがあるのですが、そのすぐそばの浜寺公園自体に行くのははじめてでした。イメージとしては海沿いの海水浴場だと思っていたのですが、じつは松林があるものの純粋にバーベキューなどができる広場のある公園で、海岸沿いではあるのですが、護岸工事で堤防化されていました。もともとは完全に大阪湾に接していたのが、埋立地ができて運河沿いになったことが地図からわかります。

公園に入ってみると、そこらじゅう休日を過ごす家族連れだらけで、テントやらシートを広げてのバーベキューをする人、遊具を使って遊ぶ子どもたち、サイクリングする人たちでいっぱい。とても、心静かに海を眺めながらチェアリングする感じではない...。それでもあきらめずにずんずん海に向かって進むとバラ園の向こう側に堤防が見えてきました。

おお〜高速道路と工場と運河とボート練習、なんたる絶景。

記事にならい、現地でおつまみならぬお茶請けを調達しました。浜寺公園駅前の和菓子屋さん、福栄堂でお団子を購入。わたしはお酒が飲めないのでペットボトルのお茶と水でいっぱいやることにしました。

どうですか、このリラックス度。運河のボート練習はどこかの大学でしょうか。ソロ、二人乗り、四人乗りが行ったりきたり練習しているので、飽きずに眺めていました。堤防はランニングする人、笛の練習をする人(水際はなぜか楽器練習する人が多い)、読書する人、犬の散歩する人をちらほら見かけましたが、公園内の混雑っぷりに比べれば十分落ち着けます。そして、誰の邪魔もせずに済みます。ぼーっとしていると関空か伊丹か、それとも神戸空港を飛び立った飛行機が飛んでいきます。ずっと座っていられそうでした。実際には45分くらいだったでしょうか、日が傾き始めると同時に撤収しました。椅子を畳むだけなので、素早いのがチェアリングのいいところ(記事でも書かれていましたけど、まさにその通り)。思った以上に屋外でただ佇むという行為を満喫できました。

帰りは南海電車で堺まで行き、そこから特急ラピートに乗りました。関空から難波までを結ぶ鉄人28号みたいなイカした電車です。実は乗るのははじめて。堺から乗り換える天下茶屋駅までわずか5分!でも以前から乗りたかったので720円のスーパーシート特急券を買いました(レギュラーシートだと510円)。

これもある意味チェアリングかも。快適すぎて至福の5分間でした。

余談ですけど、大阪の北の方、北摂地域から関西空港へ行くにはJRを使うのが一般的なんですけど、阪急北千里線を使って淡路経由で大阪メトロ堺筋線に乗って、天下茶屋まで行き、そこから南海本線のラピートに乗るのが一番ラクなんではないかと思いました。乗り換え経路が短くて、通路も広く、乗り換える人が少ないようなので。関空へ向かう列車が出るJRの大阪駅南海難波駅は大ターミナルなので、そこへのアクセス自体はとても良いのですけど、乗り換えが楽とは言い難くって。ターミナルだけに混雑した人混みの駅の中を荷物をもって移動するのはけっこうしんどいです(JR新大阪から特急はるかに乗るのは確かに楽かもしれないけど。関空快速などを使う場合という意味で)。

以上が、チェアリングの実践レポートでした。以下は折りたたみチェアの話です。

実践する前に折りたたみチェアを一度使っておかねばと思い、ベランダでチェアリングを試験的にやってみました。買ったのはdpzの記事中で主に使われているタイプのものではなくて、座面と背もたれが一緒になったタイプのもの。記事中のものはたぶんゆったりだらりと座れると思うんですけど、折りたたんだときに意外と小さくならないようで(背中に担ぐくらい)、それだと移動自体が面倒になるなーと思って、なるべく軽くてコンパクトなやつを選びました。やはりdpzライターの松本圭司さんもこちらのコンパクトタイプを別記事で使ってはったと思います。一応、本家となる製品があるのですが、同じ形状の商品が安価でたくさん出ています(本家は1万円以上します)。わたしも安い方買いましたが、品質に問題はなかったです。

ケース込みで864g(私調べ)と1kg切るので、リュックに放りこんでも気にならない重さでした。

座面の生地と、フレームは別になっています。

組み立てはフレームをプラスチックのジョイントに差し込んでいくだけですが、ゴム紐がフレーム内に通っているので、自然にあるべき位置に差さるようになっており、説明書がなくても組み立てられます。フレームが組み上がったら、座面兼背もたれの生地を四隅にハメ込みます(ちょっとだけ力をかける必要あり。フレームがしなりますが問題なし)。

座ってみると、フレームがちょっと華奢な感じがして少し心配になりますが、深く腰掛けてやると安定します。フレームのアルミ自体はしっかりしたものです。最初はちょっとだけ座り心地がいいポイントを探してやる必要があると思います。座面と背もたれが一体なので包まれる感がある反面、一度座る位置を固定してしまうとずらしたり動くのがちょっと面倒になります。基本的にリラックスするために座るもので、キャンプで作業とかするには座面だけの折りたたみ椅子の方が向いているかと。もちろん、座ってぼーっとするチェアリングにはちょうどいいとは思います。

椅子と一緒にGENTOSのLEDランタンも買ってみたので、もうちょっと気温が上がってきたら、ベランダで夜間チェアリングをやってみるつもり。コーラとかサイダーとかを湯上がりに飲むのです。