美術古本コント指圧読書(その3)

前回は「明日のアー」を見て、ものすごい満足感と高揚感でした。今回はようやく二日目の目的、指圧と読書です。

そうそう、「明日のアー」ですが、公演の映像(全編)がVimeoで販売され始めました。見て損はないと思います。年末年始だけ1600円、年明けしばらくしたら2000円になるそうです。笑い納めしたい人、初笑いしたい人、ぜひ。

vimeo.com

さて、翌日。10:00から、田端ふしぎ指圧に予約を取っているので向かいます。身体の疲れ、特に背中の痛みと腰というか股関節の痛みがずっと取れなくて、なんとかしたいと思い以前から気になっていた「ふしぎ指圧」があるじゃないかと旅行の予定を立てているときに気づきました。ウェブの予約票を見るとちょうど合いている...これはもう「明日のアー」と組み合わせるしかないと思いました。

ふしぎ指圧は愛読しているdpzなどでライターをやっている斎藤充博さんが営む指圧院ですが、基本的に土曜日にしかやっていないのです(間借りして施術しているので固定の治療院とはちょっと違う)。今まで東京に行く機会があってもちょうど土曜日はコミケ真っ只中だったりして行けなかったのですよね。斎藤さんは「あんま・指圧・マッサージ師」資格の取得者で、いわゆるリラクゼーションとかと違って、指圧専門学校でみっちり勉強して国家試験に合格した方です。専門学校時代のことも記事にしておられます。
ラクゼーションとか整体とかは効く人には効くのでしょうし、わたしも昔行っていましたが「有資格じゃないのに医療行為っぽい効果を謳ったりすること」が個人的に受け入れられなくって、最近はちゃんと有資格のところでマッサージしてもらうようにしています。生真面目なことを言うないって言われそうですけど、実家が鍼灸院でこの問題(無資格者による「施術」は免許取得者の市場を奪うので厚生省も気にはしている)は他人事じゃないんです。鍼灸師も「はり師・きゅう師」の国家免許がいるのです。。。「あんま指圧マッサージ師」「はり師・きゅう師」は時間とお金をかけて学ぶ、れっきとした医療行為なんです。

さて、田端ふしぎ指圧の話に戻ると、田端にあるということだけど田端ってどこ?ってまずなりました。山手線の駅には田端駅はあるけれど降りたことがないし、たぶん通過したこともない。東京の北の方や東の方ってほぼ行く用事がないのです。

地図を見ると山手線よりも、日暮里・舎人ライナーの駅の方が近いようなので、そちらで行くことにしました。山手線を日暮里で降りて乗り換え。日暮里駅は来たことがありますが、えらい変わりようで近代化されていてびっくり。日暮里・舎人ライナーは全線高架のゆりかもめと同様の新交通システム。基本的に無人自動運転っぽいのですが、ときどき運転手がいるみたいです(待っているとき目撃した)。動きだすとすごい勢いで加速がはじまって、かなりジェットコースターっぽいので驚くというか興奮しました。東京モノレールみたいなダイナミックなカーブはないけれど、アップダウンは結構あります。先頭車両にはかぶりつき席もあります!高架はまっすぐ道路上を北にのびていて、すれすれのところにマンションが立ち並び、よくこんな場所に通せたなーというくらい狭い場所。そして、完全にどこまでも住宅街でした。

ここは本当に昨日行った原宿や表参道と同じキラキラした東京なのか?と思います。まったくもってどこの地方都市にもある住宅街です。東京だって言われないとわからない。ああ、東京にだって普通に人が住んでいるのだから、普通の住宅街があって当然だろう。下町っぽいところがあるのは京都も同じだしと、これまでの東京にもっていたイメージがかなり変わったというか自分のなかで複層化しました。その方が健全な気がしました。東京ってのは...ってイメージをこれまで押し付けてたような気がします。

話が横にそれてばっかりですが、赤土小学校前という駅で降りて、徒歩12-3分で目的地に到着。

古い2階建てのビルと言うか倉庫みたいなところの二階ですが、一階は「タバタバー」というバーでして、そのカウンターの隙間を抜けないと二階への階段にたどり着けません。むっちゃ狭い隙間なので、物理的に通れない人もいるんじゃないかな...タバタバーはまだ工事中でオープンしてなかったけれど、営業が始まるとどうなるんだろう。

表で待っていてくれた斎藤さんについていって二階にあがり、扉をあけるとふとんがしかれた4畳半の部屋。下宿っぽい雰囲気ですが、よく見ると清潔に保ってあり、施術に使う枕や胸当て、斎藤さんが使う消毒液なども。指圧院としてはふしぎな雰囲気だけれど、妙に落ち着きます。

最初に問診票を書いて、気になっている症状についてじゃあこういう治療をしましょうということで施術がはじまります。施術の間の会話って人によってはうまくいったり、途切れたりでなかなかスリリングですよね。タクシーの運転手さんと会話するときのような探り具合を斎藤さんとの会話でも感じました。斎藤さんが「昔、東三国に住んでいたことあるんですよ」と現大阪府民である私向けの話題を振ってくださったのですけど、あ、あああのJRの...東淀川駅とかの近所の?くらいしか返せず。申し訳なかったです。大阪の地理にはまだ詳しくなくって。
その後は斎藤さんの仕事、指圧について質問して、筋肉とか解剖学とかそういう話をずっとしていました。あんまと指圧とマッサージはべつのもので、その別のものが一つの資格にまとめられているって知っていましたか?斎藤さんに教えてもらいました。あと、指圧ってなんで効くんでしょうか?って聞いたのですが、驚くべき内容で面白かったです。斎藤さん、記事で書かれている本人のぽややんとしたイメージと違って、とても真摯で真面目に答えてくださるし、でも質問しやすい人でした(話をしている間には当然しっかり指圧されいますし)。

60分の施術が終わって、ゆっくり立ってくださいと言われてびっくり。痛かった背中が治っているのはもちろんのこと、肩と腕と背中がばらばらだったみたいな感じだったのか、きちんと一つにつながったというか、連携がとれるようになった気がしました。そのことを斎藤さんに伝えると、ややぶっきらぼうに照れながら「それ、指圧師にはかなり褒め言葉です」とおっしゃられました。良かった。施術料を払って、これからの予定などを聞かれて、田端の話をしてふしぎ指圧をあとにしました。と気づきました。お、おおお?足が軽い、すごくよく動く。昨日あるきまくって、重力にひっぱられる見たいに重かった足が、よく動く。ずんずん歩ける。JRの田端まで遠いかなと思っていたのが嘘みたい。そういえば斎藤さんが言ってました。指圧で何をするかというと「筋肉の可動範囲を本来の範囲に広げる」。筋肉が凝り固まるというのは可動範囲が狭くなるということ。いま、すごい筋肉動いてるよーっと実感しました。はー、こんな感じはマッサージを受けたときでもなかったので、ちょっと驚き。さすが評判のふしぎ指圧でした。

fushigishiatsu.com

さて、さて、わたしにはまだ東京でやるべきことがあるのだ。2日午後の予定はfuzkueへ行くこと。そこで昨日買った本を読む。

fuzkueというのは一般的にはブックカフェと呼ばれる場所です。本を読むところ、読書をするところ。それに特化したところであります。そんな場所、普通の喫茶店とかでもそうじゃないかと思われると思います。違うのです、読書に特化と書いたように、喫茶店でできて、fuzkueでできないことがある。おしゃべり厳禁。音の出る行為も控えないといけない(キーボード打鍵や、紙に文字を書く筆記具の音さえも!)。えー、そこまで厳しいのか、なんか窮屈じゃないか?って思わないでもない。でも、本当に本だけ読むなら、大して難しいハードルじゃない。それくらいのハードルがある方が、本を読みたい人だけが来ると思う、そういう納得ができる人が来る場所かも。

それでカフェなんだから飲食ができるんだったら、飲食の音はするんでしょと思うかもしれない。でも、それって耐えられない音ですか??って聞き返します。完全な無音なわけじゃないのです。緩やかなBGMはかかっているし、調理の音がじゅーっとするし、コーヒー豆をごーっとひく音もする。お湯がぴゅーっと沸く音もする。でも、それは読書の妨げになるだろうか、いやならないというのが普段読書する人の感覚かもって思います。しゃべり声、誰かと誰かがしゃべっている、それこそが気をとられる音。内容が気になって、そっちに集中がいってしまう音。それをできる限りなくす。なくしていく。それがfuzkueというブックカフェのやり方だと、2時間半を過ごして思いました。

隣の人と十分離れたカウンター席と、いくつかのソファ席。姿勢よく読むにはカウンターの方がいいかなーと思って選びました。あと窓から入る光が良かったので。

お昼の開店なので、昼ごはんを食べるつもりでした。チキンカレー!昨日もカレー食べてなかったか。

1時間くらい集中して疲れたのでチーズケーキ!これが...すごく美味いのです。読書には甘いもの必要。

わたしは頼まなかったですが、お酒もあります。昼に開いて、夜までやっているので夜静かに読書したいとき、でも家じゃない方が落ち着くときってたぶんあるんですよね。

fuzkueは席料システムなので、たとえ飲食をしなくても、コーヒー一杯でもずっといられます。本を読んでいられる。でも、飲食物を頼むと席料がどんどん割り引かれていくので、だいたい飲食物の料金くらいで収まります。わたしは2000円だったかな。つまり、お店には一定額のお金がきちんと入る仕組みなので、コーヒー一杯で長時間いて申し訳ないとか思わなくっていい。気兼ねなくいていい。そういう場所です。このシステムすごい...

混んでいる場合があるので予約をおすすめします。あと、初めてのひとはきちんと説明書?読んで行ったほうがいいです。難しくないけれど、ルールが書いてあります。

fuzkue.com

一回やってみたかったんですよね。東京に観光で来ているのに観光しないで、ずっと本を読んでいるっていうのを。ホテルにずっと滞在できれば、可能でしょうけど。昼間ってそんなことをできる場所は少ない。そもそもそんなことを思ったのは、観光の最終日ってすでにもう歩きすぎていて、足腰くたくたで動けないことが多くって。今日はふしぎ指圧に行ったから歩けるけれど、また歩きまわってまた疲れたくない。でも、まだ自分の街には帰りたくない。だから、駅とか空港の待合室でひたすら自分の便を待つっていうのもしたくない。待つために読書するんじゃなくて、読書するために読書したい。そういう理想みたいなわがままが叶う場所があったのにはびっくりでした。旅行計画中にウェブで偶然見つけました。

そうそう、東京に住んでいる人ならこのfuzkueがある初台という新宿にほど近い場所にどうやってきたらいいのかわかるんでしょうけど、地方の人間からすると難解極まりないのですよね。fuzkueさんのせいじゃないけれど。路線図を見ると初台には京王の駅があって、新宿の隣になっています。

路線図|京王グループ

でも、よーーーーく見てください。初台と幡ヶ谷に行くルートだけ、横にくっと曲がってますよね。幡ヶ谷の次の笹塚には新宿から直接行く線が引かれている...これすごい罠です。本当に現地でわからなかった。初台と幡ヶ谷に行くには京王線じゃなくて、「京王新線」という路線に乗らないと行けない。この二駅だけルートが違う。乗り場がそもそも全然違う場所にある。すごい地下深くにあるんです。最初、快速しか止まらないホームに行ってしまって、あちゃー普通が止まるホームは離れているのかとえっちらおっちら移動して普通にのったら、次は笹塚にとまりますと。あれ?初台通過?でも幡ヶ谷も通過?どうなってるの路線図にあるじゃないですか!って、ホームの案内図を見ると初台行くのはここのホームでもないって書いてある。じゃあどこやねんって半ばキレ気味に探すとすっごい遠い。同じ改札から行くホームとは思えないくらい。なんでキレ気味だったかというと、fuzkueを12:00から予約していたのに11:50分くらいになっても乗るべき電車を見つけられなかったからです。。お腹もすいてたし。

初台着いたときにはすっごい汗かいてました。これって、京王のホームに行かないで地上から初台に徒歩で行った方が早かったんじゃないかという疑惑。次からはそうします。。。。この記事を読んで行こうと思った方、罠に注意です。

この都内の移動に関して少し雑感を。最近、大阪市内で移動するときに地下鉄じゃなくてバスをよく使います。わりとターミナル駅から行きたいところに路線が通っているんですよね。京都の市バスも路線が多いから似た感じ。でも、東京都内のバスってターミナル駅の近辺にしか路線が通っていないんですよね。初台に行くのも田端から直接新宿に行く路線がないかって探したんです。駅の乗り降りは上下移動が多いのでフラットに移動したいなと思って。それに景色も見られるし。でも、駅と駅をつなぐルートとか、山手線の内側を縦断したり横断するルートが全然ない。営業所が駅中心になっている。駅ありきの路線。だから、どうしても都営地下鉄東京メトロに乗らざるを得ない。バスだけで行きたい観光地に移動って、かなり難しいと知りました。意外でした。バスと地下鉄の両方を経営する都にとっては路線が重複しないのは当たり前のことかもしれないけれど。

 

さて、これでわたしの東京旅行は終わり。考えていた予定は全部クリアして、どれも大満足。いつものコミケ中心の東京旅行と違って、目新しかったし、予定を減らして身体の疲れに考慮したプランというのも良かった。実際は一日目少し無茶をしたわけですが。地方の旅館を拠点とした観光観光した旅行よりも、個人的には都市滞在的観光というのが好きなので(都会っ子なもんで)、東京以外でももっとこういう旅行ができるといいなと思う次第です。

気がつくともう年内は2日しかない!えらく書くの時間がかかってしまって、読んでいてくださった方すいません。土屋鞄に行ったり、ボヘミアンラプソディ見に行ったり、版画を買って額装したり、ブログに書きたいことは結構あったのに本業が忙しくて、土日は疲れてなかなか文章書けなかったのでした。年内の更新、明日なにか書くかどうかわかりません。今年買ってよかったものとか、本とか書くかもしれませんが、書かない可能性もあり。というわけで一応ご挨拶。本年もブログ読んでくださった方ありがとうございました。良いお歳をお迎えください。