夏コミ新刊取材と「富本憲吉入門」展

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夏コミ新刊の取材が梅雨で滞っていたのですが、今日の晴れ間(途中から曇り)にさっとでかけて、奈良県庁の取材でようやく完了しました。奈良県庁舎の屋上は土日開放されており、若草山や奈良の寺社が一望できるのでおすすめです。あまり観光客はおらず、何組か親子でピクニックしている姿が見られました。

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さて、このまま直帰するにはちょっと惜しいと思って歩いていると陶芸家の富本憲吉の名前が。県庁の裏手に奈良県立美術館がありました。こんなところにあるとは知らなかった…奈良国立博物館があまりに有名なものだから、ちょっと埋もれてる感がありますね。。せっかくなので観覧することにしました。

富本憲吉というと金銀を使った精緻な羊歯模様の陶芸というイメージで、以前東京国立近代美術館工芸館で見た作品群の素晴らしさに心打たれたのですが、この展覧会はそのイメージにさらに肉付けするなかなか凝ったものでした。

富本憲吉入門という名の通り、彼の奈良、海外、東京、京都のそれぞれの時代の足跡を追っていました。そもそも東京芸術学校在学中は図案科で、卒業制作は西洋館の設計で陶芸とは無縁だったというのは意外でした。在学中はマンドリン部に所属だったというのは何か親近感を覚えました。

留学先のイギリスの美術館で初めて尾形乾山の作品を見たというのもまたもや意外。当時の日本ではまとまった陶芸作品を見る機会はなかったということなのか。。。

もう一つの意外が、彼が白磁の作陶に優れていたということで、全く知りませんでした。展示されていた白磁の造形の見事さに思わず唸ってしまいました。精緻な図案の前にまずこの造形が基本としてあったのかと。

その後、色付け陶磁や図案集の展示が続いており、私のよく知る富本憲吉像が現れてきました。後年は民芸にも関わり、「富泉」というブランドでの量産品の作成にも携わっていたというのも知らないことでした。入門と銘打つことはあります。とても勉強になりました。

図案集における「模様から模様を作らず」という彼の図案へのこだわり、オリジナリティへの発露はものを作るひとにはとても響くことだと思います。富本憲吉を知らない人にも知っている人にもおすすめの展覧会だと思います。9/1まで開催です。

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