初心者レコード生活まとめ3

 レコードプレーヤーはヨドバシカメラなどで買えますが、レコード自体は家電量販店では扱っていないことがあることはその1にも書きました。レコード自体はやはりレコード屋さんで買うしかないのでわたしがどこのお店で買ったのか、あるいは探しに行ったのかなどの経験談を書いてみます。といってもこの2ヶ月弱で見つけた範囲で。

 まず買いに行く前に考えないといけないのが新譜を買うか中古を買うかです。つぎにどんな曲を聞きたいかという点。洋楽、クラシック、JAZZ、ワールドミュージック、アニメ、J-POPなど。この2つの組み合わせでどの店が向いているかは決まると思います。私見ですが、どんな音楽を聞きたいか明確でないときはまず新譜を扱っているお店に行くのが良いと思います。中古レコード屋さんはジャンルが細分化されている傾向があり、またたくさんの中古の中からレコードを「探す」必要があります。そう、探すには何が欲しいのかわかってないといけませんよね。

 そして、この「探す」というのがけっこう難しいです。レコードは本やCDに比べて薄い紙のジャケットに収納されているので背表紙的なものがなく、中古の場合ジャケットの前側の上の方にアルバムタイトルや演者名が書かれた紙がお店によってつけられています。この紙を見るためにはたくさん並んだジャケットを一枚一枚めくっていく作業が必要です。つまりひと目見てわかりづらい。CDよりも大きいので面陳(ジャケットを表にして飾る)しにくいのでジャケ買いもしにくい。これは新譜であっても同じですが。

 新譜を扱っているお店の代表格はタワーレコードHMVです。全国チェーンなのでアクセスしやすいし、通販も対応してくれています。またウェブで在庫情報を情報検索しやすいのも利点です。とりあえずレコードを買いたい、できれば知っている曲がいいという場合はまずはアルバムタイトルや歌手名にプラスしてLPとかアナログ、Vinyl (レコードのこと)をワードに入れて検索してみると、そもそもレコードが存在するのかがわかります。そして、在庫情報を元に店舗におもむいて買う。これが初心者には一番労力が少なくて確実に手に入れられる方法だと思います。

 さて、前置きが長くなりました。わたしが実際に買ったお店、行ってみたお店について書きます。京阪神、東京のみの情報です。

(1)タワーレコード梅田Nu茶屋町
 梅田のヨドバシから徒歩 10分ほど。阪急大阪梅田駅の茶屋町口に近い路面ビルの上階にあります。基本的にCDの売り場面積が大きいですが、右奥の方にレコードコーナーがあります。J-POP、洋楽の新譜が多く、Jazzやクラシックの新譜も少しあります。中古の扱いはなかったかな。ここの利点は何よりアクセスのしやすさとCDを買う気軽さで店に入ることができること。初心者には重要と思います。クラシックのレコードがあるのも重要です。あんまり新譜のクラシック扱っているお店ないんですよね。。

(2)JEUGIA  Basic.(旧十字屋四条店、地下一階)*オススメ
 京都の四条烏丸にほど近いCD屋さん。一階はプロントで吹き抜けの階段で地下におりたところにお店があります。もともとは大きなCD屋さんでしたがCDの扱い量が減っていくにつれて規模を縮小して現在のような地下のみの営業でJazzとJ-POPに特化した形になっていました。ここ1-2年の間にCD売り場の一角を大幅にレコードに割り当てるようになりました。洋楽、Jazz、J-POPの新譜・中古の在庫が豊富。他店にはあまりないアニメのサントラや海外アニメ新譜の輸入盤なんかも扱っています(COWBOY BEBOPFLCLの海外盤など←もちろん正規ライセンス)。ここも初心者にはとても入りやすいお店で接客もチェーンのCD屋さん同様丁寧。Jazzなどは「まずはこれがオススメ」という感じで名盤がまとめられているので、わたしもそこから選んでいます。コンパクトにまとまっているのと、それほど混み合っていない感じ、マニア向けではない雰囲気が優しい。Jazzに関しては澤野工房(大阪のJazz専門レーベル)のCDとレコードも以前から扱っていてコアな客層の要求にも応えられる(もともとクラシック全般に強いお店だった)お店としての矜持がうかがえます。クラシックのレコードが置いてないのが惜しい!

(3)HMVレコード新宿ALTA店 *オススメ
 東京は新宿ALTA(かつて「笑っていいとも」を収録していたスタジオがあった)にあるレコード専門店。ほぼ1フロアが全部レコードで新譜よりも中古多め。広さゆえに取り扱いはクラシック以外のオールジャンルで、棚の間隔もゆったりしていて回遊しやすい!ときどき新譜廃盤フェアとかもやっています。J-POPなんかでは、CDとLPを同時発売するけどLPは枚数限定ということがけっこうあって、それは売り切れ=廃盤になるので中古で見つけるしかないわけです。それを集中的に集めてくれるときがあるのです。わたしはそのフェアで羊文学の"our hope"というアルバムを買いました。また、中古盤の在庫をネットで検索できるのもありがたく、Jazz作曲家/指揮者の狭間美帆の"Imaginary Visions"を手に入れられたのもこのお店。新宿駅から近いのも便利です。

(4)ディスクユニオン大阪店・神保町店
 Jazz、クラシック、ほかジャンルにも強い中古中心のお店。ディスクユニオンもチェーン店としては有名ですよね。大阪店はクラシックの扱いがあるのがありがたいのですが、まだ自分の欲しいものを見つけられていません。けっこう人で賑わっていてコアな客層が多いので初心者はやや入りにくい印象ですが、欲しいものがはっきりしてきたらもっと利用頻度はあがるかも。神保町店はJR御茶ノ水駅すぐそばにあってアクセスもよく、外からもお店の様子がよく見えるので入りやすかったです。

(5)フェイスレコード京都 高島屋S.C. T8
 高島屋京都店の別館がリニューアルしてT8として2023年の秋にオープンしたの合わせて出店した中古レコードのお店。T8には蔦屋書店やまんだらけニンテンドーショップなどのお店が集合しており、その一角に入っているため中古レコード店の入りづらさ(?)のようなものが全くなくて、他の買い物のついでに立ち寄りやすいのが良いかなと。J-POPというか古めの邦楽アルバムが豊富な感じ。

なんか、並べてみると「入りやすさ」を基準に選んでいますが、かつてのレコード趣味はなんか閉鎖的なイメージが自分の中であるせいですね。初心者が堂々と入っていけないことにはレコードは買えないし、楽しむこともできないわけで。既存のお店が人を選んでいるわけではなくて買い手(私)の方が身構えてしまっているのは重々承知していますが……