台湾出張(3)台湾のお土産:大禾竹藝工房の工芸品

新年あけましておめでとうございます。本年も同人誌個人サークル「山Dの電波暗室」をよろしくお願いいたします。2018年は新刊をつくれるように頑張ります。普段は同人誌と関係のない話題を書いていますが、こちらも気が向いたらよろしくお願いします。

さて、新春第一弾はやはり同人誌とは関係なく、昨年からのつづきで台湾出張のお話です。きょうはお土産編。台湾のお土産というと、やはりパイナップルケーキと台湾茶凍頂烏龍茶などが有名ですね!)が代表格で、それらについては多くのブログで取り上げられています。

台湾茶はともかくパイナップルケーキは台湾のひとは食べないよーなどの通のお話も聞きますが、京都人は八ツ橋買わないよー、東京の人は東京ばな奈買わないよーみたいなもので、その土地の人が食べないからといってお土産にならないかというとそれは違うように思いますので、わたしはパイナップルケーキ肯定派です。

閑話休題。業務の出張ゆえ観光地に寄る間もなく、新竹から桃園国際空港に直行したのでお土産は空港で買うしかなかったのですが、職場や身内へのお土産はお菓子系を買ってみたものの、何か「台湾ならでは」といえるものが自分用、家用に欲しいなーと思って出発時間までうろうろしていました。何が台湾ならではなのか、自分でもイメージがなくって、もういいかと思っていたとき、搭乗開始10分前に閃いたのが台湾の竹工芸品でした。

なんで竹工芸かというと、ちょうど搭乗ゲートの待合室で流れていた台湾の竹工芸をテーマにしたドラマが目に止まったから。父親が工芸職人で、娘が竹工芸を扱うショップのプロデューサー的な立場で、いろいろあって亡き父の竹工芸への想いを工房への旅で追想するという内容(っぽかった)。そこに登場した竹製のお皿が本当に美しくて、瞬間的に心打たれてしまったのです。このお皿が欲しい!という衝撃。すぐさま待合室近辺のお店(桃園国際空港は出発ゲート付近に多くのお土産物店が並んでいます)を探し始めました。

いま考えてみると竹工芸品があるかどうかもわからないし、10分以内に見つけて買えるかもどうかわからないのですが、あのときの自分の嗅覚はすごくて、お茶と茶芸品などを扱っているお店を見つけて、そこにずんずん入っていきました。雰囲気的に工芸品が置いていそうだったのですよね。で、竹のお皿こそなかったのですが、見つけました。竹箸です。

前置きが長かったですけど、冒頭写真にあるケース入りの竹箸二組。ぱっと見て、これがドラマの中で見た竹のお皿と同様の美しさを持った精度の高い工芸品であることがわかりました。これしかない。お値段はNT$660、約2400円程度とお求めやすい価格!でも、決して安っぽくない。むしろ一級品であると確信(根拠はない)。即決で買い、搭乗口に取って返しました。これこそ台湾滞在の「締め」にふさわしいものだという妙な満足感がありました。

さてさて、この竹箸ですが、まず無茶苦茶軽いです。普段使っていた木製の漆塗りのお箸よりも軽く、そしてつかみやすい。また箸をそろえて固定する台がついているのですが、これが箸置きとしても使えるようになっています。ものすごく使いやすかったので、今ではレギュラーで使うようになっています。

ところで、この竹箸を使っているうちに、既視感というかどこか見覚えがあるような気がしていたのですが、その工房名を見てはたと気づきました。「大禾竹藝工房」、わたしはすでにこの工房の作品を持っていたのです。

これ、なんだかわかりますか。中国茶台湾茶を入れる茶芸のひとつに工夫茶というのがありますが、そのときに使う茶芸品、湯池(あるいは茶盤とも)と茶托です。約10年前に台湾へ合唱公演に行ったのですが、その際にお土産として工夫茶一式を買ってきたのです。立ち寄った茶芸館のおばさんに「ここの工房のものが一級品なのでおすすめよ」と言われるがまま買ったのですが(結構なお値段でした)、それが同じ大禾竹藝工房のものでした。よくみると笹をモチーフにしたマークが竹箸のものと同じなのがわかりますか。購入以来、幾度なく工夫茶を楽しんでいますけれど、そのたびにこの湯池の形に惚れ惚れして、いいもの買ったなーと悦に入っていたのですが、まさか同じ工房のものを10年後にお土産に選ぶとは。頭の中に「美しいかたちのもの」として、インプットされていたんでしょうかねぇ。でないと、あんなに短時間で竹箸を見つけることはできなかったかも。偶然のような必然のような不思議な縁を感じました。

次回また台湾に行くことがあれば、今度はきちんと時間をとって、大禾竹藝工房の竹皿を買いに行きたいと思っています。みなさまも台湾でのお土産にひとあじ違うものをお求めなら、ぜひ竹工芸品を探してみることをおすすめします。

:::::::::::::::大禾竹藝工坊Bamboola Taiwan◎TEL:049-2635206◎:::::::::::::::