毎年、この時期はWOWOWでトニー賞受賞式(字幕版)を見ています。アカデミー賞ほど日本での知名度がないのは、舞台演劇/ミュージカルの賞であるトニー賞は映画と違って、日本での興行に影響がないから。というか日本では簡単にブロードウェイの舞台を上演できないから、放映しても「宣伝」にならないわけです。でも、そういったことはさておき、純粋に授賞式そのものが一つのショウになっているので、これを見るだけで楽しいのですよね。アカデミー賞は言ってみたら受賞スピーチの連続で、司会の力量によりますが、割と退屈です。トニー賞はノミネート作品の舞台のキャストが出演しての生歌、生ステージ、生ダンス、生演奏の数々。それはもう一丸となって客席の人や、TV中継で見ている人に向かってエンターテイメントであろうとする。その熱量たるや半端なものではないです。映画に対する当てこすり、反骨心みたいなものも出てきますが、それがいやらしくない。最近はハリウッドスターの中にも演劇に力を入れている人もたくさんいて、プレゼンターにも映画俳優が出演するので、ミュージカル俳優を知らなくても楽しめます。
今日は時間が遅かったので、司会のケビンスペイシーのオープニングアクトから、最初の作品賞ノミネートの紹介まで30分くらいしか見てませんが、いやーオープニングが面白い。脚本もよければ、ケビンスペイシーの生き生きした演技もよく、タップダンスに早着替えと演劇要素満載でとても楽しかったです。続く作品賞ノミネート紹介は"COME FROM AWAY"。9.11のあの日、ニューヨーク着陸を回避したたくさんの旅客機が緊急着陸したカナダのある島の”5日間の歓待”を描いた実話を元にしたミュージカル。そんな事情があったことも知りませんでしたが、それを知らなくてもこのキャストの皆さんによる再現舞台を見ていると、猛烈に「このミュージカルを見たい!」という思いが湧いてきました。
こうやって、毎年毎年ブロードウェイで見たい(おそらくブロードウェイという場所でしか見られない)演劇が増えていくのが悩ましいです。。本当にいつか機会を作って、ニューヨークには行かねばならないなーと常々思っています。いや、ニューヨークは数多の映画の舞台、TVドラマの舞台、プロジェクトランウェイ(ファッションデザイナーのオーディション番組)の舞台なので、まずはそれらの「聖地巡礼」をしないといけないので、行くとしたらものすごい過密スケジュールになりそうですけれど。グッゲンハイム美術館にニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館...まだまだ行かなきゃいけないところはあるし、、そして夜は当然、ブロードウェイだし、、と無限に妄想が膨らみはじめますね。。
トニー賞授賞式、もし再放送があったらぜひ見てください。That's entertainment.がそこにあります。今年見れなかった人はぜひ来年。