いろいろ要素の多い京都トリップ(主に展覧会鑑賞)

今週も京都へ行ってきました。そもそも通勤で毎日京都に来ているので、週末に京都に来るのも大きな違いはないのですが、「今はそこに住んでいない」という点からすると、やはり少しだけ「小旅行」(トリップ)の雰囲気が漂います。住んでいるときにはあまり行かなかった場所やお店に行くようになるのも外来者視点で京都を見ているのだと思います。

今日の目的は京都国立近代美術館です。ここはあまり行かない場所ではなく、独身時代を通じて私がもっとも通っているお気に入りの美術館。どちらかというと工芸よりの展覧会が多いです。夫婦で来たのは前回、ドイツ映画ポスター展のときが初めてでした。京都在住時はそれこそ自転車ですーっと行けたものですが、今はJRや阪急で京都に来て、そこから地下鉄東西線で移動するので、まるきりよそから来た人と視点は同じです。

美術館に行く前にまずは腹ごしらえ。美術館での観覧は目と脳と足を使うので空腹はNO!

大丸京都店の裏側、高倉通錦を上がったところにある円屋のランチが最近のお気に入り。京都に住んでいるときは、ものすごく近いところに住んでいたので、返って来る機会がなかったと思います。日替わり定食のメインは豚ロースかさんまの塩焼きの二択ですが、お惣菜の小鉢が三品もついて、ごはん+お味噌汁付きで750円は値打ちもの。結構混むので早めに来ました。お店の人が気さくなのも好きなポイント。

今日の展覧会は「技を極める ヴァンクリーフアンドアーペル ハイジュエリーと日本の工芸」展です。ジュエリーの展覧会というと、10年以上前に同じ近代美術館で行われたルネ・ラリック展以来かもしれません。

ヴァンクリーフアンドアーペルというジュエリー工房のことはわたしは全く知らず、日本でどの程度の知名度があるのかもわかりません。また、そもそもこの展覧会がどういう意図の元で企画されたのかは実はさっぱりわかりませんでした。しかもその工房の作品と日本の工芸品を技という観点で組み合わせる、ということの意味合いもチラシの説明を読んでもかなり曖昧です。日本の工芸の中でもなぜ、その作品なのか?という説明も一切なく。でも、展示そのものはすごいです。工芸の極致でした。眼福といっていいくらい見事。心を奪われるものが何点もありました。そして、なぜだかわかりませんが日本の工芸との組み合わせもうまくいっているように思えます。展示スペースの見せ方もうまいです。さすが京都国立近代美術館

実は入場券を買うとき「50分待ち」と聞いてびっくりしたのですが、よくよく掘り下げて(食い下がって)聞いてみると最初の展示室に島状に配置された展示ケースを最前列で見るための行列がそれくらいあるとのこと。で、その60cmくらい後ろに引いてある白線より後ろからだったら別に並ばなくても見てもいいのだそうです。それに他の展示室を先に見るのも当然OKだと。実際、会場入り口を観察してわかったのですが、どんどん人は入っていっており、入場ができないというわけではないのです。だったらと思い切って入場してみました。説明で聞いたとおり白線から後ろで見ている人も多いし、その位置からでも十分見えます。ジュエリーという性質上、絵画のように大きくはないので近寄ってみたいという心理はわかりらなくもないですが、そんな近くで見る「権利」のために50分も並ぶのって馬鹿らしいです。そんな間近で見なくたって十分美しい。美術館側はわりと誠意をもってそのことを見ている人に伝えていたのは良いことだと思いますが、入場券を買うところでの説明で「50分待ち」とだけ伝えるのはちょっと不親切だと思いました。だって、それで諦めて帰る人だっていると思いますよ。

しかし入ってすぐの状況(ならばなくても見れる)を見ても、それでも並ぶ人がいるのはとても不思議。。心底、そう思います。その後の展示スペースでも、そこはもう第一展示室と違って別に並んでみる必要がないのに、自然と並んで順序よく見ている人の多いこと。駅の乗車待ちとか、何かを買う行列ならともかく、美術品を順繰りに並んでみるなんてナンセンスだし、美術館側もそれは推奨していません。見たいところから見ていいよって言ってるのに。あれ、なんなんでしょうね。以前、東京の美術館でそういう光景をよく目にしましたが、最近は京都・大阪でもそういう人は多いです。

で、まぁわれわれは結構自由に自分たちの見たいものを縦横無尽に駆け回ってみました。見ている人に割り込んで見たのではなく、もちろん自分が見れる位置にポジションを取ってみただけのことです。賞味1時間程度で、脳がここちよく疲労してきたところで展示終わり。ちょうどいい展示数でした。

見終わってからは前回と同じく、美術館内のカフェで休憩。今はもうテラス席は猛烈に暑いので店内であんみつを食べて涼みました。今回は図録は買わず。なんか、最初に書いたように企画意図がちょっと不明なので、図録で見返すという感じがしなかったのですよね。

その後はショッピング!河原町三条の京都ロフトへ。じつは今日からはじまるあるグッズ販売が楽しみで行程に入れ込みました。

twitterで人気のクマのイラスト(よく何かを食べている)を描いておられるナガノさんのグッズ販売。一度、その一枚絵のレポート風の脱力気味のイラストを見てからとても気に入ってしまって、LINEのスタンプを買ったり、twitterでフォローしたりしていました。銀座と横浜のロフトで先行してグッズ販売が始まったと聞いて、悔しく思っていたのですが、まさに今日(7/22)から京都でも販売が始まったのです!

京都ロフトの1階入ってすぐの角地に単独のコーナーが設けられていました。グッズ以外にもクマたちのポップが立っていて、ファンとしてはむっちゃうれしーとテンションが上がりました。グッズを吟味し、今回は3点買い求めました。

布バッヂ各種の中から「ぱん」。いっぱい種類があるのでどれを選ぶか悩みに悩みました。

OTEAGEクリアファイルと、トート&ショルダーバッグ。実用性重視で。

トート&ショルダーはかなりしっかりしたつくりで、スナップボタンで閉じられるほか、内ポケット付き。そこにもちゃんとプリントがあるのもいいですね。外側はキャンバス生地ですが、中はろう加工してありました。たぶん外側が濡れても内側に染みてこないようになっています(推測ですけど)。さっそく明日から買い物に使おう!

京都ロフトで静かに興奮しつつ買い物を終えたあとは、うちのおやつと妻実家へのお土産に姉小路高倉上ルの「松之介」へアップルパイを買いにいきました。ここのアップルパイが美味しいというのは妻情報で、以前も買ってきてもらったことがあります。わたしがお店に行くのは初めて。京都に住んでいるときは、こういった洋菓子のお店に行こうという気にはならなかったのですよね。どうしても和菓子の情報の方が多いし、わたしも和菓子の方が好きでしたから。冒頭に書きましたけど、京都に住んでいないことで新しい視点を得て、興味の幅が広がりました。いや、実際、ここのパイは美味しいですよ!

というわけで、いろいろと要素の多い京都小旅行を終えて吹田へ帰ってきました。今回、最後にひとつ思ったことは「京都暑い」でした。あの暑さは独特のもので、よくこんな暑さを毎年我慢してたな!と外来者っぽく思ったのでした。