以前の消失したブログ時代からその時々に聞いている曲を書いたりしています。
基本、Jazzが多いのです。つかれているときは歌詞がないピアノトリオを聞くとすごく落ち着きます。歌詞のある曲は、頭でその歌詞を反芻してしまって、噛みしめたりして、それが良い方向(元気が出るとか)に働くときと、そうじゃないときがあるので。でも歌詞を聞きたくなったとき、よく聞いているのがこの1枚。
とてもきれいで、でも変幻自在で、ちょっとくせのある声に、少々ぶっ飛んだ歌詞が印象的な吉澤嘉代子さんの1stフルアルバム。「ぶっ飛んだ」というのは多少語弊がありますが、世間的(メジャー)にはそう思えるけれど、マイナーな世界に親和性のある内容です。毒のあるとも言えますが、それはメジャー側、はっきり言うとスクールカーストで上位にいる人、頭が筋肉でできている人達にとってであり、その人達からは想像もできない世界の住人にとっては、とても共感できる。それを「オタクの世界」とひとくくりにするとても乱暴なひともいるかもしれませんが、そうではない。世の中でよいとされる大多数の世界とは違う、こういう見方の世界もある。それはもちろん決して反社会的なものではなく、ごく小さな小さな当たり前の叫び。そんな気がします。わたしは、このアルバムの「雪」という曲がとても好きで、その中でもサビ前の部分がとても好きです。
『無力な私にできるのは たったひとつ
いつだって ただ そばにいる いるだけ
あなたが あなたを救う その日も』(吉澤嘉代子「雪」より)
吉澤さんについては、下記のナタリーのインタビュー記事を読まれることをお勧めします。こんなことをまっすぐに言える人はそうは居ません。
『でも人は夢から覚めたときに、初めて後天的に何かを得ることができる。自分の手でつかんだ能力や美しさといった望むもの……私にとっては曲を作ることですけど、それは先天的に持って生まれたものよりも尊いと思っていて。それを自分でつかみ取ることができるのが大人だと思うんです。』(吉澤嘉代子「箒星図鑑」インタビューより)
もう一枚。
「DAOKO」DAOKO
これは録画で見ていたアニメ番組のCM時間のときに流れていて気に入って買いました。この人のことも、曲のことも何にも知らないまま、ただその宣伝で気に入って、今もあまり調べていないのです。吉澤さんより、さらに独特の世界で、ほぼ独り言のような歌詞で、ラップというか浪曲というか詩吟というか、旋律のなかで詩を朗読するように、流れるような音楽。頭を空っぽにしたいときにとてもいいです。詩の内容を吟味すると面白いはず。