VW Polo(6C)、CPMロアーレインフォースメントのインプレッション

Polo(6C)を購入した当初から気になっていた、CPMというメーカーのロアーレインフォースメント**というパーツを手に入れた*ので取り付けてみました。そもそも名前だけ聞いても、写真でその形状を見ても何に使うパーツか、どこに使うパーツかわからないのですけど、車の車体の底、マフラーを挟んだ左右のシャーシをつなぐブレースという部品があって、それを置き換えるものです。わたしもブレースがなんのためにあるのかよくわかっていないのですが、車体のねじれを防ぐ補強板だと理解しています。

*Amazonによる発売発送品の場合、時々定価よりもかなり安くなるときがあってそのタイミング(と財布の都合)を狙っていたのです

**Polo 6Cに適合するのは品番CLRF-VA005(Polo 6R,9N,Audi A1などにも適合)

取り付けたところを車体の裏側から撮ってみました。当然ながら、こうやって下側からのぞかないと見えない。

じゃあ、その補強板を付け替えると何が嬉しいのかというと、補強板としてより最適化することによって車体のきしみ音やねじれを解消してやり、より走りやすいクルマに変えるということ(らしい)。これ、付けたあとに走ってみた今だと「こういう効果がある」って具体的に言いやすいのですけど、つけてない段階前提の言葉だとやっぱりしっくりこないですね...わたしもつけた人のインプレッションをたくさん読んで決めたのですけど。

付けてみて変わったとわたしが感じること
1、荒れた路面や継ぎ目、マンホール上を走ったときの突き上げがマイルドになる
2、乗り味がどっしりとした感じになり(重心が下がったかのよう)、安定性があがる
3、2とかぶるがカーブでのステアリングがしやすくなる(ロールが最小限)

この3つですね。おおむね他にインプレッションを書いてらっしゃる方と同じことになっちゃうのですけど。

1について、PoloVWのクルマらしい安定感はあるものの、きびきびした走りをするので荒れた路面などはあんまり得意じゃないなと思っていました。がっくんがっくん揺れます(国産車と違うのは「揺れても不安にならない」という点だと思いますが)。当然、乗り心地は良くない。ドイツ車なので、もともと足回りが硬めだからだと思うんですけど、その分高速道路では最強に近いけれど、一般道の路面に対応しきれてない感じはしました。

ロアーレインフォースメント(以下、「LRF」と呼びます)をつけると、継ぎ目などでタイヤを通じて聞こえる・感じる「ガコン」という衝撃が、「カクン」とか「カコ」という感じにまで和らぎました。どうも、通常は上下に伝わる衝撃が、LRFをつけることで横方向に車体全体で分散されるようになって吸収されているように感じたのです。オカルト的な話じゃなくて、もともとのブレースの素材(鉄)に対して、このパーツがしなやかな素材(アルミ)でできているから、この違いが出ているように思います。

2について、もともとVWのクルマはup!にせよPoloにせよ直進安定性は抜群なのですけど、車幅が1685mmなので(現行のPolo A1は1751mmに広がってます)軽快さ重視な感じで、走っていても腰高感があり、道路の上をツーっと滑っていくような感覚がしていました(なので、1で書いたような路面の凹凸にはやや弱い感じ)

LRFをつけることでこの感覚が少し変わりました。これはうまく説明できないのですけど、どっしり座りがよくなったような走りになったというか、PoloがGolfになったみたいなというべきか。Poloらしい軽やかさはちゃんとあるけれど、道路の上の滑る感覚から、レールを走っていくようなゆるぎなさに変わった感じがしました。これは他の方が言うような「サスペンションがちゃんと仕事をする」ようになったことが原因でしょうか、1とも関係がありますけど。余計な衝撃はシャーシで分散しているので、サスペンション本来の能力が発揮されるようになり、路面状況に応じてタイヤが追従していけるようになったのではないかと。タイヤがしっかり路面をとらえられているから安定感が増すという解釈です。

3については2とほとんど同じことを、クルマが曲がるときにどう感じるかなんですけど、個人的には右左折時よりも上り下りのワインディングだったり、立体交差の合流(ループなど)のような急カーブの連続のようなところでの安定感をかなり感じました。Poloくらいの車高だと一般道でロールを感じることは稀ですけど、前述のような急カーブ区間ではロールが気になってステアリングもアクセルワークもかなり緊張します。しかし、LRF取付後は、四輪のタイヤがきっちり路面をグリップしていることがハンドルを通じてわかるので、余裕をもって操作ができるようになったと感じます。よりクルマと運転する人間が一体感を持てるような。今まで、タイヤのグリップなんて意識したことはほとんどなかったんですけどね。

以上が私の感じたLRFのインプレッションでした。いろんな人のレビューというか感想のなかには「効果がわからない」「プラシーボかも」という意見もありますが、私が思うに効果を感じにくい状況というのが多分あって、それは比較的一般道路がよく整備されている地域をよく走ったり、高速道路主体で運転している方なのではないかと思います。そう、環境要因だと思うのです。そこそこの道路整備状況で、カーブも少なく、登坂もなくといった京都市内だったらわたしもここまで変化を感じられなかったような気がします。

以上はあくまで私見なので、このパーツが絶対だと保証するものではないです。なんらかの参考になれば幸い。特に走りにこだわってPoloを選んだわけではなく、週末の買い物やたまに遠出をするくらいだったら、別に付けなくっても良いものです。でも、ドライブが趣味だと言い切れる人にならおすすめしたいなと思います。

(おまけ)こちらがもともと付いていたブレース。たぶん鉄製。LRFのレビューでよく「純正はうすっぺらい板だから云々」みたいな文言を目にしますけど、それはたぶん薄くても強度があるから薄いのであって、厚いから部品としての性能が良い悪いとかいう話ではないと思います。LRFは必要な強度と出したい性能のバランスの結果、あの材料と厚さになっているだけで、そこは比較するところではないはず。その部分の部品をチューニングするかどうかは個人の裁量で、車メーカーがそこを追い込んでいたら高級車しか作れなくなっちゃう(安全とコストと性能のバランスの問題)。