良き音、Tivoli Audio MODEL ONE BTでαステーションを聞く

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誕生日とクリスマスのプレゼントも兼ねて、多少奮発してTivoli Audio MODEL ONE BTというFM/AMラジオを買いました。在宅勤務をしていると夜が長いんですよね。それだけ通勤に時間を取られてるってことですけど。そんななかで自宅でラジオを聞く時間が増えたので、見つけたときはぴったり!と思いました。とても豊かで伸びのある音を聞かせてくれるラジオです。音声がくっきりと太く前に出てくるので、圧を感じるくらいです。初めて聞いたときはびっくりしました。家庭用ラジオから出てくる音じゃないなと。

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直径7cmのフルレンジスピーカーを一つ搭載していて、そんなに大きいわけじゃないのに部屋のどこにいてもトークも音楽もしっかり聞こえます。スピーカーは一つなので当然モノラルですけど、言われないと気づかないかなと。よほど定位がはっきりした音楽でなければ、音楽を楽しむのにステレオである必要はないのかなって思わされるくらい。底面にバスレフポートが空いているのでテーブルなどの固くて平滑な場所に置くと低音もしっかり出ます。中音域と一体になっているので低音だけが強調されすぎることもないので聞きやすいです。

見た目がクラシックで木材筐体なのでオシャレアイテムっぽく見えますが、ちゃんとしたラジオ(開発当初はFM/AMラジオ専用機)として開発されているので、FMの受信感度はかなり高いです。マンションの室内で窓から離れたリビングでもかなりのS/N比があります。ただしAMは室内だと内蔵バーアンテナではほぼ受信できないので外部アンテナがないときつい。なのでちゃんとAMアンテナポートがついてます。といっても最近はAM放送がFMでも聞けるのでFMがしっかり聞こえれば問題ないかと思います。FM用にはロッドアンテナがついています(取り外して外部アンテナを使うことも可能)。

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デザイン的に特長的な受信ダイヤルは5:1のギア比でゆっくり回転するのでとても細かい調整ができます。アメリカは局が密接してるらしいのでそういう工夫がいるのだとか(Tivoli Audioって名前ですがアメリカのメーカーです)。日本の代理店で買ったので周波数範囲はちゃんと日本向けになってます。

いやしかし、そういうスペックを並べても、このラジオの音くらい「いっぺんまぁとにかく聞いてくれ」と言いたくなるものはなかなかないと思います。
発売から20年経ってますが基本構造は変わってないそうで、ロングセラー商品ですね。じつは10年前に私も日本で売られているのを見たことがあるのです。現在のモデルはその頃にはなかったAUX inと、Bluetoothがついてます。当時はFM放送はほとんど聞かなくて、AM放送も社会人になってからは深夜放送が聞けない(翌朝仕事にいけない)ので、もっともラジオから遠ざかっていた時期でしたのでデザインは好きだけど食指が伸びなかったのを思い出します。
私、普段は京都のαステーション(89.4MHz)をクルマで聞くのですが、さすがに室内ではかすかにしか受信できず、それが残念です(追記あり)。89.9MHzにkiss FMがあるせいかそっちはむっちゃ受信しますが周波数分離の問題というより入力強度の問題っぽくもある。別に持ってる携帯用のデジタルFMラジオだと室内でも内容が聞き取れるくらいには受信できるのでケーブルで両者をつなぐなんてある意味、このラジオには屈辱的かつ冒涜っぽい禁じ手も使えます。

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…いや、せっかくBluetooth使えるんだからiPhoneなりAlexaなりにつないでRadikoサイマル放送を流せよって思われるかもしれませんが、αステーションは京都の局なので、大阪府である吹田市ではRadikoプレミアムに入らないと聞けないんですよ!
…めんどくさい人なので、あくまでラジオ放送はラジオで受信せねばと付属のロッドアンテナを差し替えたりしたらαステーション拾えるかなぁとか考えています。
だんだんマニアックになってきたので話を戻すと、この前雑貨屋さんに何気なく入ってみると店内のBGMがむっちゃ良い音で、音の出どころを探すとそこにあったのは、同じTivoli AudioのMODEL TWO(廃番になったっぽい)というCDプレーヤー付きのステレオのモデル。雑踏の入りやすい店内空間でもあれだけ明瞭な音が鳴らせるのは正直すごくて、MODEL ONE BTを試聴した直後だったのに、改めて音の良さに驚いたのでした。
 
とここまでの内容をfacebookに書いて先に投稿していましたら、知人から「(大阪市の南にある)堺でαステーション聞いてました。鰐口クリップでアンテナ線をカーテンレールにつないで、その先をロッドアンテナにつないで」。なんと、そんな方法で!
さっそく試してみると、おおおおむっちゃしっかりαステーションが聞こえる!びっくり。デジタル選曲じゃないのでダイヤルを微妙に回さないと同調しなかったのですが、5:1のギヤのおかげで、89.4MHzと89.9MHzのをきっちり選曲仕分できました!同調のポイントはかすかに聞こえるDJのおしゃべり。そう、αステーション土曜日午後といえば、キヨピーのJACトップ40!。キヨピーの声、小さくてもむっちゃわかるのでそれを手がかりにダイヤルを回したのでした。キヨピーありがとう!?

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カーテンレールの表面は塗装されているせいか導通しにくかったので、レールを止めているネジ(ネジ表面がレールの導体内部と接触しているから)につなぎました。

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もう片方の鰐口はロッドアンテナへ(黒の導線と赤の導線を途中でつないでます)

わたし、AMラジオとSW(短波放送)は中高生のころに聞いていたのですが、短波放送を聞くときはロッドアンテナに導線をつないで二階の窓から一階に垂らして聞いていました。FMでもそれと同じようにやれば聞けるかなぁと漠然と思っていたのですが、結局窓を少しあけたり、穴をあけて(クーラーの配管とか)屋外にアンテナを出さないといけないんですよね。しかし、長くて室内に安定的に設置された導体=カーテンレールをアンテナに使えばいいじゃない、なんて思ってもみなかった。もしかしたら、遠くのFMを聞くヘビーリスナー的には昔から当たり前の手法だったんでしょうかね?かつてのAMリスナーには目からウロコでした。
 *AMはFMに比べると遠く(何百キロも先)まで届くのと、ループアンテナのような小型なアンテナで受信強化できるので、大した工夫もせず遠く東京のTBSラジオを聞いていたのでした。
 
ところで音的にはなんの問題もないMODEL ONE BTに注文をつけたい点がひとつあります。MODEL ONE BT、さきほども書きましたようにAUX inとBluetooth接続ができるのですが、切り替えスイッチは両者共通なんです。そのせいだと思いますが、ステレオミニケーブル(内部でモノラルにミックスされます)で外部音源をつないでいるときにBluetoothをつなぐと後者が優先的に接続されてしまいます。ケーブルで接続しているのに途中で急に音が切れるので故障か?とびっくりします。iPhoneなど一度ペアリングした機器が近くにあると、接続するつもりがなくても自動的に接続されてしまうので原因に気が付きにくいと思います(お店でBluetoothで試聴したあと、有線接続を試していると同じ現象が起きてそのときは理由がわからず、??ってなりました)。Bluetoothのバージョンが5.0なので、それまでの規格よりも遠くから(300mくらい)でもペアリングされるので、なおのこと気づきにくいはず。
AUX inとBluetoothの切り替えを別にするか、AUX inジャックにプラグがささっているときはAUX inを優先にして欲しいです。(日本代理店に言ってみるつもり)

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それ以外はとにかく満足しています。AUX inよりもFMを聞いている時間が長いと思うので。

日本では店頭に置いてあるところが少ないのですが、GINZA SIXに2021年2月末までポップアップストアがあるのでそちらで試聴されるのがおすすめです。通販でも買えますけれど、スピーカーやイヤホンなどの音モノは個人の好みの差が大きいので。