Golf 8に感じるいいところ(近況あれこれ)

 すっかりクルマブログと化していますが、最近の休日はほぼ休養にあてているせいか展覧会や映画にいけてないのがその理由かと思います。11月からずっと仕事が忙しすぎて、心身ともに危機を感じるレベルでして、身体と脳を休めることが最優先で、新しいものをインプットする余力がない感じになっています。クルマは買い物や駅までの通勤で乗る時間も多いので必然的にクルマのことは記憶にすごく蓄積されています。

 本はわりと読んでおりまして、映画DUNEを見にいってから、ずっと通勤電車で原作小説を読んでいます。ほかに並行して「私たちは学習している」(学習心理学の入門書。すごくおすすめ)、「同志少女よ敵を撃て」(独ソ戦における女性だけの狙撃小隊を描いた小説)など。きょうは「荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで」(おなじみ中公新書の中世史シリーズ)を買ってきました。本を読めているということは案外まだ大丈夫なのか?と自分で思わないでもありませんが、体力は確実に限界に来てます。

 さて、表題の話をする前に、前回We Connectが繋がらない対処法を書きましたが、つい先日も午前9時くらいにふつっと繋がらない状態になりましたのでその話を。このときの状態は前回と異なり、「メインユーザーが選択できない」「GPSほかのクルマ情報を一切共有できないモードになる」という状態で、We Connectアプリからもクルマ情報を参照できないものでした。きっかけは多分、ドイツ本国のサーバーメンテナンスかダウンかどちらかと思います。ドイツでは夜中の時間が日本ではちょうど朝なので前回と同様かと。サーバーがダウンしていた期間は不明なのですが、夜になって帰宅したあと(だいたい12時間後)にエンジンを入れると何もせずとも通常通りにメインユーザーでサーバーに繋がり、情報をアプリで参照できるようになりました。この点では対処法で書いたような面倒さはないので改善?されているのかもしれません。

 それにしてもサーバーに何かする、何かあったのが全然わからないというのは困るのでアナウンスして欲しいなぁと思います。VW本国のウェブにはメンテナンス情報が掲載されているとディーラーさんはおっしゃってましたけど、ドイツ語で探すのは骨が折れるのでVGJの日本のウェブでも情報を流して欲しいところです。

 やっと本題。冒頭に書いたように日々、Golf 8に乗ることでクルマの情報が自分の中に蓄積されてきていて、それは新製品としての機能やカタログに書いてあるアピールポイントの使い勝手とかよりも、むしろそこには大きく書かれていないところの「良さ」というのが見えてきたように思います。

*こういうのは自動車ジャーナリストさんの試乗レビューではわからないことなので、ユーザーが発信する意味があると思っています。もちろん長期ロードテストをずっとやっているメディアもあるし、最近では新車を買って1年ほどの短期間だけ所有して私的にロードテストをするYoutuberさんも増えてきました。

 わたしが感じているGolf 8の良さは「音」ですね。いろいろな音です。官能的な部分に訴えかけるところがとにかく心地いい。過剰ではなく、目立たず、しかし確かにその操作をしたことを意識できる音。毎日聞いても気にならないように、音まで含めて設計されていることがわかるのです。

・ドアを開ける音(気密性の高さを感じる)
・ドアを閉める音(剛性の高さを感じる)
・ドアを閉めたあとの車内の音(遮音性の高さを感じる)
・ハッチを閉めたときの音(Polo 6cでは「ガチャっ」だったのが、「ポフっ」と柔らかい響き)
・ウィンカーレバーを倒したときのトグル感と発生する音(柔らかく優しい)
・シフトレバーをドライブに入れるときのコクコク感とその音(誤操作のしにくさや工作精度の高さを感じる)
・パークディスタンスコントロールの音(警告音がマイルドで適度な刺激)
・右左折後にウィンカーが自動でオフになるときのスイッチの音(とても短く、心地よく、しかししっかりと響く)
・ワイパーブレードがすっと動く音(滑らかさ)
・エンジン音(よく遮音されていてとても遠くに聞こえるが、気持ちよくシフトアップしていくのがちゃんとわかる分だけの音が聞こえる)

 クルマとして使う基本的なところだけでも音がするシーンはたくさんあります。それらのシーンで一切不快感がなく、むしろ気持ちいいってどういうことでしょう。これをカスタムカーではなく量産車としてトータルで仕上げているのってどういう技術なんでしょう。いったい誰がどうやってディレクションしてるのか、まったく想像もつかないのですけど、確かにディレクションして設計されているってわかるということは、つまり偶然の産物ではないのですよね、これって。ちょっと褒めすぎてて気持ち悪いくらいですけど、改めて感じていることを文字に起こすとそうとしか言いようがないので。すごく高級で良い材料を揃えても、必ずしも美味しい料理ができあがるわけではないように、クルマのような複雑な機構部品の塊を職人のこだわりみたいな精度で量産できるフォルクスワーゲン恐るべしですよ!(畏怖に近いものを感じます)

 フォルクスワーゲンのクルマの良さって、試乗レベルの短い時間ではたぶんわかりにくいと思います。ニュータイプみたいな感度が高い人ならともかく。だから新車が出ると必ず「地味でシンプル」「○○○万円台のクルマにしてはチープな内装」「実用車」とか一定の割合で言われるのが、オーナーとしては歯がゆく思います。よく整備された道具みたいなもので、現場で使ってはじめてわかる良さなんですよ。ストレスフリーで使えるツールとして見てほしい。見た目の派手さはいらんのです。すぐ飽きるデコレーションはいらんのです。お、便利みたいな隠し収納とかはいらんのです。道具に徹しているから!道具だからといって粗末に扱うのではなく、もちろん愛着のある道具として使えるクルマ。それがフォルクスワーゲン車であり、Golf、スタンダードなGolf 8なのだと思えてきました(Golf GTIとか、Golf Rは趣味性が高いので)。

 *締めの部分でじゃっかん興奮気味に早口で饒舌になっている部分はある程度差し引いて読んでくださると幸い。

(追記)
 音の話、忘れていました「オーディオの音」。これがですね「かなり良い」です。標準でついているスピーカーの音には全然期待していなかったのですけど、歴代up!とPoloにつけていたDIATONEのスピーカーに対しても遜色ないレベルでびっくりしました。7スピーカーの仕様で、前後左右のメインで4つ、前席左右のツイーターで2つ、ダッシュボードのセンタースピーカー1つという構成。up!やPoloは標準で6スピーカーだったので、センタースピーカーのあるなしの影響が大きいのかもしれません。Golfの方がクラスが上なので、標準スピーカーも若干良いのがついている可能性もありえます。

*試乗したときに標準スピーカーで十分に良い音だとわかったので、PoloからDIATONEを取り外してGolf 8に付け替えることは止めたのでした(工数と工賃がかかりますし)。Poloの次のオーナーさんには「へ〜、標準でもすごいいい音」って思って欲しい......(外からはスピーカーが見えないのでブランド品がついているとはわからないし、買い取ったディーラーさんにも話してないので)。

*上位モデルのStyleとR-lineには、オプションでharman/kardonのスピーカーシステムをつけられるので、わたしの乗っているActiveグレードにそれが付けられないの悔しい!と当初は思ったものですが、標準であれだけ良い音ならharman/kardonをつけて得られる予測満足感に対してオプション代金はけっこう割高に感じます(サンルーフとセットの価格だから高いのですけど、単体価格だとどれくらいなんんだろう)。