電子はかりでいろいろ測ろう

Amazonタニタの電子はかり(KD-187-WH)を買いました。1098円。家で料理をするときにレシピを見ると「じゃがいも○○グラム」というように書いてあることが多いのですが、料理経験が少ない私にとっては、それがどの程度の大きさ・分量なのかがわからないことが多くて、やはり感覚ではなく定量化して把握して、しかるのち秤なしでもわかるようになりたいなと思ったのです。

とりあえず、身の周りにあるもので、毎日持ち運んでいるモバイルPC環境一式を測ってみました。

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こうやってみると、T90chiの環境は一式をそろえても一般的なノートPC単体よりも軽いということがわかります。キーボードがやや重たいですが、これは合体させて使うときにタブレットを支えるためですね。なので、分離して使う場合を想定するならば、キーボードはもっと軽いものでもいいはずです(Bluetooth接続が前提)。付属のキーボードは打鍵感もよく、クラムシェルになることを考えると捨てがたいので、あえて別に用意する必要はあまりないと思います。あと、モバイルバッテリーはAnkerの10000mAhのものを使っていますが、iPhone6plusの重さ(175g)とあまり変わらない重さでした。コンパクトなので運び易いのですが、重さ的にもやはり軽かったのですね。

 

さて、こんな風にいろいろ測っていると、この「いろいろ測る」という行為が妻には不思議に思えたらしく、なぜ測るの?と問われました。彼女にしてみれば、料理に使うのであれば、料理をするときに材料を測るのであって、それ以外のときに測るということは意味不明だったようです。上記のPC環境がかばんの中でどれくらいの重さなのかを確かめるため、と説明しましたが、後でもっと掘り下げて考えてみると「測りたいから測る」ということになると思います。わかりにくいので解説します。

もともと目的があって買ったのは確かですが、わたしを含めて世の計測器が好きな人というのは、たいてい目的よりも「何かを測る」という行為そのものが重要で、そのことが目的化していることが多いのではないかと思います。そして、いろいろ測る行為のなかで蓄積したデータから、何か後付けの理由を考えたりします。あるいは、測ったことによって何か知見を得ようとする。得ようとするというか、たまたま気づくとか、そこから興味が生まれるといったほうが正確かもしれません。

たとえば高度計を買ったなら、自宅と最寄り駅で高度を測って、その高度差から自分は毎日この高度差を通勤しているのか、ということを知る。別にそれが何かの役に立つということはないのですが、世の中を定量化していくことで明らかになる何かに興奮する。五万分の一の地図で見えなかった細かい部分が二万五千分の一だとよく見える、そのことが楽しい、そんな感じなのだと思います。虫眼鏡を手に入れた気分と言ってもいいかも。そこから、たとえばどういうルートを通れば、その高低差をゆるやかに移動できるか?とかを考えてみたりする。そこで、複数のルートの複数のポイントでまた高度を測り始める。そこから、また考察をする。

また、あるいはレーザー距離計を買ったとすると、いろいろなものの長さを測る。たとえば、窓枠の大きさだとか、ガードレールの長さだとか、街に立っているコーンの高さだとか。いくつも測っていると、そこに規則性というか、同じ長さのものが多いなと気づく。なんでだろうか?と考えると、JIS規格で決まっているからだとか、同じメーカーの製品だったから、などいろいろな答えが見つかる。なるほどと思う。世の中は無秩序なようで、実はそうではないと気づく。誰かがその数値を決めたのだと気づく。

繰り返しになりますが、そのことが何かの役に立つかはわかりません。役に立たないことの方が多いかもしれない。でも、それを知ることで見える世界が変わるかもしれない。見える世界が変わると面白いかもしれない。単純にそういうことだと思います。あと、私は技術者なので、自分の身体感覚みたいなものを疑ってかかっているところがあって、「定量化」というところに魅力を感じるところもあるのでしょう。

 計測器好きというと、デイリーポータルZのウェブマスターの林さんはその典型ですよね。サーモグラフィカメラとか、気圧気温湿度データロガーとか、ありとあらゆる測るものを買ってしまう。結果的に記事にしたりすることもあるけれど、何かのネタにしようという考えの前にまず計測器が好き、測りたいというのがある(と思う)。

この感覚、わかってもらえるでしょうか?

 

タニタ デジタルクッキングスケール 1kg ホワイト KD-187-WH

タニタ デジタルクッキングスケール 1kg ホワイト KD-187-WH

 

 *余談:このはかりの場合、250gまでで±2g、1000gまでで±3gの誤差とパッケージに明記してありますので、厳密な測定(化学の実験とか)は難しいでしょう。たぶん校正できない仕様なので、商取引にももちろん使えません(そのことも明記あり)。その代わりというわけではありませんが、地域による重力加速度の違いに対応できるようになっています。5つの地域ごと(ようは緯度)に設定が分れており、より正確に測れるようになっています。近畿ですと、デフォルト設定のままでOKです。重力加速度は高校の物理で習いましたよね?