温湿度計を携帯する

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つい先日、twitterで携帯温湿度計を持ち歩いているという方を見かけました。その方は出張が多く、滞在するホテルの部屋での冷暖房温度の管理する目的と書かれていました。なるほど、わたしも身に覚えがありますが、慣れた家での冷暖房と違って、ホテルの冷暖房は加減が難しい。より密閉されているので乾燥もしやすいですし。コミケのときに滞在したホテルの冷房は個別空調のエアコンでしたが、家と同じ設定温度にしていると微妙に寒くて、適温設定を見つけるのに苦労しました。ならば、普段から同じ温度計で自分の適温の絶対値を知っておくのは有効っぽい気がします。わたしもまねしてみようと思いました(出張はそんなに多くないですが)。

その方が使ってらしたのは無印良品の携帯型の温湿度計でした。他にそういうものがないかを探してみたのですが、案外、携帯サイズのものは少ないのと、湿度計までついたものがない。夏場は熱中症対策として温度だけでなく、湿度も重要な要因なので、両方ついているということで同じものを買うことにしました。

手のひらサイズのデジタル表記で、ボタン電池で2年駆動。シリコンのカバーは別売りです。温度と湿度の関係(WBGT値)から熱中症の警告を出してくれる機能がついているのが特徴。WBGT値によって4段階の表示とLEDランプの点滅で警告してくれます。このWBGT値については、環境省のサイトに詳しい説明が載っています。

環境省熱中症予防情報サイト

さっそく外で使ってみると、すぐに写真のように警告レベル3が出ました。この場合は湿度はそんなに高くないけれど、温度が高いケースですね。温度はそんなに高くないけれど、湿度が高い(60%を超えるとき)場合でも警告レベルは上がるようです。湿度が高いと発汗しにくくなるからですね。

基本的に少し計器マニアなところがあるので、いろんな場所でどれくらいの温度・湿度なのかを調べるのは楽しいです。手元にある卓上の温度計と比較してみましたが、ほぼ同じ値を示しているので、指標としての精度には問題なさそう。ところで、湿度ってどうやって測っているのかって気になりませんか?中学生のころにガラス管の温度計と湿度計が並んでいるモノで測っていた記憶があるのですが、あれは物理的に測っているわけで、こういう携帯型のものは電子センサーを使っているはずです。

温度は熱電対(かそれを使ったセンサー)を使っていると思うのですけど、湿度を電子的に測る方法って考えたことがなかったです。ネットで調べてみて、信頼できそうな情報として計器メーカーのウェブサイトを見つけました。

第一科学//技術情報 - 湿度のあれこれ

そもそも湿度とはなんぞや?というところから専門的な計算方法、いろいろな測定方法まで幅広く掲載されています。こういう、専門に特化した企業のウェブはメーカー自体のアピールだけではなくて、裾野を広げるための啓蒙・学習目的のこだわりのものが多い印象で、読みごたえがあります。 

湿度を電子的に測る方法としては抵抗式と容量式があり、どちらも空気中の水分によって回路内の配線の抵抗値・容量値の変化を値に変換しているようです。そういえばガス検知器なんかも抵抗値の変化を使っていると聞いたことがあります。物理量を電子量に変換するしくみを聞くと最初に考えた人すごい!(小並感)ってよく思います。あとセンシングの技術って、なぜか日本の企業が強いですよね。。

さて、会社と家で2日ほど使ってみた感じでは温度27℃、湿度40-50%くらいが一番すごしいやすいという結構普通の結果が出ました。この条件を一番満たしているのは職場の居室で、逆に一番満たしにくいのは家のリビングです。正確には維持するのが難しい。日中は出かけているので冷房は切っているので、帰宅後にエアコンを起動しますが適温になるまで時間がかかる。しかも湿度はそんなに簡単には下がらないです。また、飼っている猫が自由に行き来できるように扉をあけ放っているので温度分布が一定になりにくいのです。一応、それを補うために扇風機を併用していますが、本当はもっと効率がよさそうなサーキュレーターが欲しいなぁと思う今日このごろ。この夏は導入の機会がなさそうなので、暖房を入れ始める11月末ごろにでも、この温湿度計で分布を計測して、導入すべきか否かを検討してみたいです。