うずしおを見たあと、鳴門北ICから再び高速道路に乗り、来た道を戻ります。淡路島中部の中心地、洲本温泉に泊まるためです。
鳴門海峡から高速で約40分、洲本の市街地を抜けて5分ほど海岸沿いを走ると洲本温泉です。洲本の対岸は和歌山で、海岸からは紀淡海峡が見えます(上の写真左側に和歌山側の島、右側に淡路島沿岸)。地図で見て気づいたのですが、鳴門海峡よりは広いもののその距離5kmほどしかありません。淡路島側の突き出た部分は砂州が形成されているため、船が実際に航行できる範囲は3kmくらいじゃないでしょうか。瀬戸内海ほど船が行き交う場所ではありませんが、航行には注意が入りそうです。
さて、関西の方にはCMでお馴染み「ホテル、ニューゥあーわぁぁじ」が今宵の宿。いや正確にはホテルニューアワジグループのひとつ「渚の荘 花季(なぎさのしょうはなごよみ)」に泊まりました。ホテルニューアワジのHPを見ると、実は洲本温泉には中心であるホテルニューアワジを含めてグループのホテルが5つもあり、歩いて行ける距離に隣接しています。なんで、こんなことになっているのかは不明なのですが、それぞれに特色?があり、値段設定も大きく異なっています。CMで見て調べた方もいると思いますが、ホテルニューアワジ自体がかなり高級に分類されるお値段で結構びっくりします。二人で泊まると有馬温泉と同じくらいの設定ですね(もちろん温泉旅館なので一人の設定はなくて、独身時代に泊まりたくても泊まれなかった)。
結婚記念日の旅行なので奮発したいところですが、それでも手が出ないくらいの値段で、かろうじていけるかな?というのが今回泊まった「花季」でした。でも、もうちょっと安くならないかと頭を捻っているときに見つけたのが「朝食あり、夕食なし」のプラン。温泉旅館の夕食代金が宿泊料のかなりの割合を占めているのは皆さん経験がおありでしょう。ホテルでの上げ膳据え膳はいいものです。何年も経験していません。でも、夕食以外に温泉を楽しむという目的がまだあります!幸い、ホテルから洲本市街までは車で5分です。外食可能と判断して、われわれは「夕食なし」を選択しました。
じゃーん、部屋付きの露天風呂!じつは夕食なしにはしたものの、部屋だけは通常より1ランク上の露天風呂付きにしました。まぁ、温泉を楽しむ目的を最大化したかったので。公式HPからの予約+早期予約割引+夕食抜きで、一人2万2千円(2017/6現在)!これ以上は負けられない(はいOKです)。頑張りました。
部屋からはすぐ紀淡海峡が見えるという贅沢。。。独身時代の鉄道旅行では味わえなかったなぁ。誤解のないように言いますと、鉄道旅行はいいんです。好きだから。でも、さっきも少し書きましたが、温泉旅館って基本的に一人では泊めてくれないか、ものすごく(驚くくらい)割高な料金設定なんですよね。お一人様歓迎が増えているものの、ごく少数です。未だにね。だから、一人のときに箱根湯本とか何度も行きましたけど宿泊したことは一度もなくって、つねに日帰り入浴。あーお風呂入って気持ちよかったから、このまま昼寝して、ゆっくり夕ご飯食べてということなく、電車に乗って都市部(箱根なら小田急で東京まで)へ行き、ビジネスホテルに泊まる、というパターンばかりでした。のんびりできないですよね。
閑話休題。さて、この温泉を楽しむ目的、じつはこの部屋付き露天風呂だけでも十分ですけど、そもそもホテル自体にも大浴場があります。そして、さらにさらに、さきほどホテルニューアワジグループのホテルが隣接していると書きましたけど、専用通路を歩いて、なんとホテルニューアワジ本館の「棚田の湯」「くにうみの湯」(CMで聞いたことある!)と、その2つとなりの夢泉景の「天空の雫」(かっこいい名前)にも入れるのです。入浴に関する、回数とか宿泊プランによる制限はなし。これ、これらのお湯につかったからわかるんですが、すごいことです。むっちゃ贅沢で気持ちのいい、豪華な大浴場にそのホテルのお客さんと同じように入浴できるんです。廊下でつながっているので、違和感なく入っていけます。日帰り湯とかじゃなくて、歩いて自分の部屋にもどって湯上がりに休める!これぞ求めていたものって感動しました。
棚田の湯は海に向かって半露天風呂になっていて四段くらいだったかな、名前の通り棚田のように連なっています。開放感がすごい。くにうみの湯とは男女日替わりで入れ替えになっています(翌日は天空の雫に行ったので、わたしは入れず)。そして、翌朝入った「天空の雫」は、花季からは少し距離があるんですけど、もっとすごかった。水平線と湯船がまるでつながっているかのように見える配置で湯船の縁が見えないようになっているんですよね。で、そのために目の前がすごい開けているのでホテルの前にある港の堤防からは丸見えなんですが(妻によると女湯も結構開放的だったようです)。
湯船を出てからも休憩コーナーにはゆったりと座れるソファや椅子が並び、湯上がりに欲しくなる麦茶のサービスがあって、言うことなし。ああ、すごい、こんなにリラックスして温泉入ったのいつぶりだろうと、お風呂を出てかなり長いあいだ感慨にふけっていました。
もちろん、夜中寝る前に部屋付きの露天風呂(波の音が聞こえるし、真っ暗な紀淡海峡で灯台のあかりだけが見えて、ものすごく落ち着きます)にも入り、これでもか!というほど温泉を堪能できたのでした。ああ、ぜいたくだ。
ところで、花季の大浴場も行ってみましたが、わりと「ふつー」でちょっと肩透かしをくらいました。海が見えるし、窓は大きいし、露天風呂もあります。でも、棚田の湯や天空の雫のような豪華さはない。過去、家族旅行などで泊まった温泉とくらべても、遜色があるわけではないのですけど、他の館の大浴場がすごすぎるんですね。ちょっとだけ残念でしたけど、これ以上は求めようがないです。書いてませんでしたが、接客もとても良くって花季というホテル自体にはとても満足しました。
ところで、夕食なしプランなんで、一度お風呂に入ってから車で出かけました。市内に御食館という市営かな?土産物屋と一緒になったレストランがあって、そこで食べようと思っていたのです。で、少し遅めの20:00くらいに着いたら、なんと20:00で閉店。。Oh、Noって声が出てしまいました。他に調べてなかったので、その近辺で探すことにしましたが、なにせそこが20:00で閉まるなら他も押してしるべし。これはやばいかも。。と思って、すぐ目についたイオンに入りました。フードコート以外にも飲食店があるだろうと。案の定、チェーンの定食屋さんがあったので、もうここにしよう(淡路の食材とかじゃないけど!)と入ったらガラガラ。あれ?金曜日の夜、まだ20:00なんですけど。。広い店舗にわれわれ以外に二組しか。淡路島の夜は早い(というか温泉地の夜は早い)のだなぁと。定食屋さんの料理は思いのほか美味しかったので、それは満足でしたが、なんだかちょっとさびしい感じはしました。帰りにはイオンの食材コーナーでおやつを買ってホテルに帰りましたが、コンビニとかももしかしたら早くしまってしまうのかもなぁ(未確認)とちょっと思ったのでした。以上、夕食なしプランのリスクでした。
翌朝、朝食はちゃんとありました(良かった!)。和食中心のバイキング形式で、焼き魚が美味しゅうございました。写真の分を食べたあとはホテル特製のパンとデザートも食べて、お腹が膨れました。個人的な経験上、旅先では朝ごはんはしっかり、たくさん食べ、保存できるものは多めにとって(パンとか)いきます。ヨーロッパの新婚旅行でもそうしましたが、これは旅先ではお昼をくいっぱぐれるか、ものすごく遅くなることが多いからです。予定が立て込んだり、観光先で食事する場所がなかったりということを想定してのことで、実家の家訓でもあります(両親とも旅好きなんで、本当に)。都市部の旅行に慣れているとコンビニや飲食店に事欠きませんが、車で行く旅行の場合、昨晩のように食べるところに困る可能性が十分にあるわけです。
さて、名残惜しいですが、チェックアウトして、帰路に付きました。その前に妻のリクエストで洲本城へ。これはまた次回に。