スペイン旅行記(6)われら王宮へ

前回の旅行記は、二つの教会の見学まででした。

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アルムデナ大聖堂のすぐ北側にスペイン王宮があります。王宮には現在、国王一家は住んでいない(郊外に邸宅があるのだとか)状態で、内部を見学できるようになっています。王宮の門の手前には大きな広場があり、そこに50人くらいの人の列ができていました。われわれが並び始めると、すぐそこに何やら近未来的な乗り物に乗った集団がやってきました。あ、あれは、セグウェイ!?セグウェイに乗った集団がつぎつぎとスルーと物音も立てずに、通っていくではありませんか。その動きの優雅さたるや。実物を見るのは初めてです。なんと、面白そうなんだ。

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はじめは、セグウェイオーナーのオフ会なのかと思っていましたが、いくつかの集団に分かれて行動しているようで、先導する人が居たのでツアーだとわかりました。この後、街にでかけた時に、観光地を巡るセグウェイツアーの看板があちこちにありました。確か、日本だと公道ではセグウェイは乗れず、また公道外であってもセグウェイ社公認のインストラクターの指導を何時間か受けないと乗ってはいけない(セグウェイ社の)決まりだったはず。後者の条件が緩和されてかつ、マドリードでは公道OKなのかもしれません。乗っている人たちはみんな楽しそうでした。日本ではなかなか目にすることも難しいので、もう一日あれば乗ってみたかったです。翌日移動したバルセロナではまったく、このセグウェイツアーはみかけなかったので、これからスペインへ行かれる方はマドリードでぜひどうぞ。

さて、入場列はそれほど長くはないものの、わりと進むのはゆっくり。マドリードカードという観光客用の特典付き入場券をもっているとファストレーンから入れるようでした(プラド美術館もこのカードで入れる特典があったはず)。われわれは15分くらい並んだかと思います。ヨーロッパの観光客は朝が遅いので、昼以降だともっとかかるかもしれません。待っている間は、入り口のすぐ近くにいたアコーディオンと歌い手のおじさん達の音楽を楽しむことができました。最初はアコーディオンだけで、ポピュラーソングを弾いてはったのですが、途中で歌い手のおじさんが合流しました。このおじさんの歌が抜群にうまい!ペアになってから、並んでいる観光客のテンションもあがっていきました。イタリア歌曲の途中で歌詞を忘れちゃったり、表情・身振りを見ると、どうも、この二人は根っからのアーティストや大道芸人ではなさそうで、引退後の余暇のような雰囲気。でも、素人だとしてもこのクオリティは日本だとありえないです。だって、道ばたで歩いているおっちゃんを連れてきても、すぐに伴奏付きの歌曲を大音量で観客に聴かせるなんてできないですよね。生活のすぐそばに音楽がある感じがして、素敵でした(もちろん、他の観光客も、わたしたちもささやかなチップを献上)。

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王宮の入り口でチケットを買ったあと、荷物検査・ボディチェックゲートを経ていよいよ入場です。内部は撮影禁止なのですが、外観部分と階段室までは撮影OKでした。では、まずは写真をご覧ください。

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階段室だけでも、目が眩むばかりだったのですが、本番はこの先。建物の内装でこれだけ感激したのは初めてです。単に豪華だというのではなく、すべてが美しい。これにつきます。ルートを全部回りきるのに1時間くらいかかるので、時間に余裕をもっていった方がいいです。たくさんの人が見ているのと、ガイドツアーも行われていて、なかなか先の部屋に進めない場合もありますし、一筆書きのコース設定なので、ショートカットして先に進んだりも難しいです。でも、飛ばして見るなんてもったいないのでゆっくりと見るのがいいと思います。ガイドツアーには日本語はありませんでしたが、英語のツアーの拾い聞きと、英語とスペイン語の説明札などが随所に立っているので、どのような用途の部屋なのかなどはわりとわかります。説明書きを見なくてもわかったのは玉座がある部屋と謁見の間。スペイン王室の栄華のすごさを思い知らされました。

最後は、お楽しみのミュージアムショップへ寄り、内部写真満載のガイドブックとそれぞれお土産を購入しました。

ちょうどお昼になりましたので、歩いて近くにあるサンミゲル市場へ行きました。ここは市場といっても、一般の人が食材を買いに来る用途というよりは、どちらかというと観光客向けの食材+タパス売り場という場所。ガラス張りの室内にマス目の通路が広がっていて、肉・野菜・酒・魚介・バーなどが並んでいてとても賑やか。暖房も効いているので、散策に疲れたらちょうどいいかも。観光客も多いのと、マドリード市の職員が巡回しているので、安全面でも安心できる雰囲気でした。

われわれは大きな丸い鉄板でつくっているパエリア屋さんで、1プレートのパエリアをテイクアウトし、壁沿いに設置されたテーブルで食べることにしました。1プレート8ユーロだったと思います。このプレートの他にもう少し少ない量(下の写真の上の方に写っているもの)もあります。妻は1プレートじゃ多かったとのこと。味はけっこう美味しいので、お昼ご飯にちょうどよかったです。お店に入ると何かと高いですし。飲み物は果物屋さんでフレッシュジュース(3ユーロくらい)を買いました。食べ終わった容器は捨てるところがないので、どうするんだろうと思ったら、職員の人が巡回して回収していました。なので、ちょっと気がひけますがテーブルの端っこに寄せて置いておくことにしました。

このパエリアだけでおなかいっぱいになったので、他の食材は断念。でも、ここの雰囲気が気に入ったので、あとで夕食を食べにくることにしました。夜も賑わいがある場所なので、お店を探してうろうろするより安全だとも考えてのこと。

一度、ホテルに帰ることにしました。途中でショッピングもするつもりで、チュエカ地区という、小売店舗がたくさんならぶ場所を歩くことにしました。

これが街でみかけたセグウェイツアーの看板。30-40ユーロくらいだったので、高すぎず、安すぎずといったところ。

 

海外旅行にでかけると必ず立ち寄るのが地元の本屋さん(個人的には台湾の誠品書店がお気に入り)。今回、一度ソフィア王妃芸術センターにある書店に入ったのですが、そのときに見かけた本を後で買いたくなったのもあり、本屋を見つけては入って探すを繰り返しました。上の写真はホテル近くの家族経営の本屋さん。妻はここで、狼の少女と狐たちが登場する美しい絵本を購入。この旅、随一のお気に入りのお土産になったようです(わたしの探していた本は見つからず)。

ホテルに帰ってすこし休んだあと、夕食のためサンミゲル市場へ戻りました。途中、Atocha駅を下見しておくことに。明日は、ここからAVE(スペインの新幹線)に乗ってバルセロナに移動するのです。

Atocha駅のドームは昨日、外から見ていましたが内部は今は植物園のようになっています。たぶん、昔はここにホームと線路が並んでいたと想像しました。この写真の手前側が三層構造になっていて、バスやタクシーが3階につき、2階と1階が乗り場になっていました。我々が乗るAVEは2階から乗り込む(実際はそのあと1階に下がるのですが、入り口は2階でした)ようです。国際列車ではありませんが、手荷物のX線検査があるので乗り込むのに少し余裕を見る必要があります。何番線から出発するかは、直前(1時間〜30分)に電光掲示板に表示されるまでわかりません。どこでもそうでしょうが、駅の構造や乗り方はツーリストにとっては未知の部分が多いので、明日の朝、いきなりこの駅に来ていたら迷っていたかもしれず、下見に来ておいてよかったと思いました。

この部分、ヨーロッパの駅って感じがして好きです。

 

さて、サンミゲル市場にもどって、夕食。妻はモヒート(お酒が飲みたい気分だったらしい)と、オリーブの串刺し、豆のスープ。わたしは、お肉のサンドにしました。和牛(Wagyuって書いてある)と、イベリコ豚など4種のお肉を焼いてパンに挟んだだけのものですが、これが美味い!写真で見ると少なそうですが、結構おなかにたまりました。これだけで十分満足。10ユーロとお得。

食事を終えて、地下鉄に乗って帰路につきました。あと二日で新年なので、あちこちに電飾の飾り付けがありました。特定のモチーフというより、幾何学模様的な電飾が多く、ただの立方体とかもたくさんあって、ちょっと謎でした。上の写真のように、マドリードは繁華街だと夜でも多くの市民・観光客が歩いているので、スリなどの被害に気をつければ、わりと出歩いても安全かもという雰囲気がありました。夜21:00くらいの地下鉄も利用者が多かったので、普通に乗れました(一応、観光客が多そうな車両を狙って乗りました。若者グループとか、目つきの悪そうな人が多いところは避けるのがセオリー)。

さて、いよいよマドリードともお別れ。明日は朝からバルセロナへ移動します。